IDCは、世界のAIインフラストラクチャ市場の予測を発表した。9半期連続で2桁成長を維持しており、2028年の市場規模は1070億ドルになると予測した。
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IDCは2024年11月26日(米国時間)、世界のAI(人工知能)インフラストラクチャ(以下、AIインフラ)市場の予測を発表した。AI導入のためのコンピュートおよびストレージハードウェアインフラ支出は、2024年上半期に前年同期比で37%増加し、318億ドルだった。同社は、2028年のAIインフラ市場規模を1070億ドルと予測している。
IDCによると、AIインフラ市場は9半期連続で2桁成長を維持している。その主な要因となるのが、AI導入のためのサーバ投資だ。2024年上半期は、サーバ投資が市場全体の89%を占め、前年同期比で37%増加していた。
ハイパースケーラー、クラウドサービスプロバイダー、デジタルサービスプロバイダーがインフラ能力を拡大しており、共有(パブリック)クラウドインフラで展開されるAIインフラが、2024年上半期のAI向けサーバ支出全体の65%を占めた。これとは対照的に、従来型企業はオンプレミスのAIインフラ導入で大きく出遅れているという。
AIアクセラレータを搭載するサーバは、AIインフラ支出全体の58%を占め、2024年上半期には63%増加した。IDCは、2028年までにAIアクセラレータ搭載サーバがAIインフラ支出全体の60%を超えるとみており、2023〜2028年の年間平均成長率(CAGR)を19%と予測している。
「AIインフラにおけるストレージ支出も、2024年上半期に前年同期比36%で成長している。AIモデルのトレーニングに必要な大規模データセットの管理、トレーニング、チェックポイント(スナップショット)、推論フェーズに必要なデータ保存の需要によるものだ」と、IDCは述べている。
世界のAIインフラ市場は米国がリードしており、2024年上半期の総支出額の約半分を占めていた。次いで中国(23%)、アジア太平洋、日本(16%)、欧州、中東、アフリカ(EMEA)(10%)と続いた。IDCは、2023〜2028年のCAGRはアジア太平洋、日本が最も大きく(20%)、米国(16%)、欧州、中東、アフリカ(13%)、中国(11%)が続くと予測している。
IDCのグループバイスプレジデントであるリディーチェ・フェルナンデス氏は、次のように述べている。
「世界中のハイパースケーラー、クラウドサービスプロバイダー、民間企業、政府がAIを優先事項としており、AIの導入は目覚ましいペースで進むだろう。一方、AIインフラのエネルギー消費に関する懸念が高まっている。このことは、データセンターがアーキテクチャを最適化し、エネルギー使用を最小限に抑えるための代替案を模索する要因になる」
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