思いがあれば、意識が変わり、行動が変わる。その思いの強さが、青年をカナダに導き、定着させた。
国境を越えて活躍するエンジニアにお話を伺う「Go Global!」シリーズ。今回もUiPathカナダで「Generative AI Solutions Architect」として働く隈元大樹さんにお話を伺う。
ホームステイで世界と出会い、ワーキングホリデーで「いつかは世界で」と心を固めた隈元さん。だが新卒で入社した会社での海外との接点は、中国の同僚とたまに英語で会話する程度だった。彼は、なぜカナダに移住することになったのか。常に周囲に感謝し続ける彼は、自分のことを「幸運」だと分析するが――。
聞き手は、AppleやDisneyなどの外資系企業でマーケティングを担当し、グローバルでのビジネス展開に深い知見を持つ阿部川“Go”久広。
阿部川“Go”久広(以降、阿部川) その後、どのようなきっかけでUiPathに転職したのですか?
隈元大樹(以下、隈元さん) ワークスアプリケーションズに入って2年目ぐらいに、ひょんなことからUiPathのことを知りました。当時はRPA(ロボティックプロセスオートメーション)を知りませんでしたけど、調べてみたら面白そうだと感じました。
ワークスアプリケーションズを通じてERP(統合基幹業務システム)システムを会社に導入するチャレンジを認識していたからです。ERPを導入するお客さまの目的は情報の一元化だと思います。しかし各種の社内システムが残った状態で導入するので、システムを連携させなくてはいけない。それがチャレンジになります。
RPAは人間の作業をソフトウェアのロボットに教えて自動化します。このテクノロジーがシステム間のデータ連携を(人間がやるように)実行するので、とても面白いテクノロジーだと思いました。
阿部川 最初はUiPathの日本オフィスに入社したのですよね。どのようないきさつで、カナダで働くことになったのですか?
隈元さん 僕が入社した2019年には日本法人があり、スタートアップみたいな状態でした。僕は200人目ぐらいに入社した従業員で、テクニカルパートナーマネジャーという、UiPathをお客さまに導入するパートナー企業の技術担当者にUiPath製品の細かい操作方法やベストプラクティスを教えるロールでした。後にセールスエンジニアにロールを変えました。
コロナ禍になると妻が「そろそろカナダに戻りたい」と希望したので、「カナダオフィスってあったっけ?」と調べ始め、社内「Slack」で調整を進めました。妻の配偶者ビザで移住できることになり、2021年2月にUiPathカナダに移籍しました。
阿部川 とんとん拍子に進みましたね。
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