Linux Tips | |
AntiVirでリアルタイムスキャンを行うには 北浦訓行 |
Linux用のアンチウイルスソフトを使うにはで紹介したAntiVirには、リアルタイムスキャン機能がある。ファイルの読み書きごとにそのファイルがウイルスに感染しているか否かを調べる機能である。
Linuxでリアルタイムスキャンを行う必要があるかどうかについては、検討する余地がある。もちろん、リアルタイムスキャンを行った方が安全性は高まるが、それなりのリソース(CPUパワーなど)が必要となる。現時点では、リアルタイムスキャンが必要なほど深刻なウイルスがLinuxには出現していないため、定期的なウイルススキャンで十分という選択もある。
AntiVirでリアルタイムスキャンを行うには、Dazukoを利用する。Dazukoはファイルアクセスを管理するインターフェイスである。Dazukoのデバイスドライバがインストールされているシステムでは、Dazuko対応アプリケーションはそのインターフェイスを利用して、ファイルアクセスを制限できる。その性質上、Dazukoに対応しているアプリケーションは、ほとんどがアンチウイルスソフトである。詳細は、DazukoのWebサイト(http://www.dazuko.org/)を参照していただきたい。
Dazukoは、AntiVirよりも前にインストールする必要がある。最新版はバージョン2.0.2で、AntiVirの配布ファイルにも含まれている。なお、Dazukoのインストールにはmake作業が必要となるため、GCCを始めとする開発環境が必要だ。また、SELinuxが組み込まれていると、Dazukoは実行できない。
AntiVirのtarボールを展開すると、srcディレクトリにDazukoのtarボールが生成される。さらにそれを展開する。
$ tar zxf avlxwks.tgz |
Turbolinux 10 Desktopの場合は、一般ユーザーでmakeを行うとエラーになるので先にrootになっておく(Vine Linux 2.6では、一般ユーザーでもmakeできた)。また、筆者の環境では、途中でIntel i915をサポートするかどうかの選択を促すメッセージが表示された(i915は搭載されていないので「n」を選択)。
$ su |
makeが終了したら、モジュールが作成されたかどうかを確認する。カーネル2.4環境ではdazuko.o、カーネル2.6環境ではdazuko.koを使用する。モジュールが作成されたら、insmodコマンドで組み込んでみる。組み込みがうまくいったら、rmmodコマンドで削除しておく。モジュールを組み込んだままAntiVirをインストールしようとすると、インストールが失敗する。
$ ls dazuko.* |
次に、AntiVirをインストールする。以下のインストール例では、必要な部分だけをピックアップする。これ以外の選択肢については、Linux用のアンチウイルスソフトを使うにはの例を参照していただきたい。なお、AntiVirではリアルタイムスキャン機能を「AvGuard」と呼んでおり、インストーラでもその名称が表示される。
# cd ../.. ←AntiVirのディレクトリに移動 |
この後Dazukoのテストが行われ、問題がなければAntiVirのディレクトリにコピーされてAvGuardの設定画面となる。設定は13項目もあるが、ほとんどはデフォルトのままで大丈夫だ。デフォルトを選択するときは[Enter]キーを押せばよい。また、7番目の「IncludePath」という設定項目では、「IncludePath 1」を入力する部分がある。ここでは「/」を入力して[Enter]キーを2度押せばよい。
筆者がデフォルト以外を選択したのは、以下の部分だ。
AutoUpdateEvery2Hours/AutoUpdateDaily (9 of 13) |
また、電子メールの項目で「受信する」を選択した場合は、受信用のメールアドレスを入力する。
EmailTo (10 of 13) |
最後に設定した項目が表示される。また、AvGuardと自動アップデートプログラムの起動方法が表示されるので確認する。
Here are some commands that you should remember... |
以上で、インストールと設定は終了だ。メールで送られてきたライセンスキーを/usr/lib/AntiVir/にコピーして、自動アップデートプログラムとAvGuardを起動する。
# cp hbedv.key /usr/lib/AntiVir/ |
Linux Tips Index |
Linux Squareフォーラム Linux Tipsカテゴリ別インデックス |
|
- 【 pidof 】コマンド――コマンド名からプロセスIDを探す (2017/7/27)
本連載は、Linuxのコマンドについて、基本書式からオプション、具体的な実行例までを紹介していきます。今回は、コマンド名からプロセスIDを探す「pidof」コマンドです。 - Linuxの「ジョブコントロール」をマスターしよう (2017/7/21)
今回は、コマンドライン環境でのジョブコントロールを試してみましょう。X環境を持たないサーバ管理やリモート接続時に役立つ操作です - 【 pidstat 】コマンド――プロセスのリソース使用量を表示する (2017/7/21)
本連載は、Linuxのコマンドについて、基本書式からオプション、具体的な実行例までを紹介していきます。今回は、プロセスごとのCPUの使用率やI/Oデバイスの使用状況を表示する「pidstat」コマンドです。 - 【 iostat 】コマンド――I/Oデバイスの使用状況を表示する (2017/7/20)
本連載は、Linuxのコマンドについて、基本書式からオプション、具体的な実行例までを紹介していきます。今回は、I/Oデバイスの使用状況を表示する「iostat」コマンドです。
|
|