Linux Tips

KNOPPIXをWindows XP上で起動するには(coLinux編)

北浦訓行
2004/9/30

 KNOPPIXが、2004年8月20日版(knoppix_v3.4_20040517-20040820.iso)でcoLinux(Cooperative Linux)というLinuxエミュレータでの動作をサポートした。KNOPPIXをWindows上で起動するには(QEMU編)で説明したQEMUの場合は、起動用のバッチファイルを実行するだけでKNOPPIXを起動することができた。しかし、coLinuxを使う場合は、

  • coLinux
  • X Window Systemの画面をWindows上に表示するためのXサーバ(Cygwin/X)

をハードディスクにインストールする必要がある。

 まず、KNOPPIXのWebサイト(http://unit.aist.go.jp/it/knoppix/)からknoppix_v3.4_20040517-20040820.isoをダウンロードし、CD-Rなどに焼く。Administrator権限を持つユーザーでログオンして、このCD-RのcoLinuxフォルダに移動し、clsetup.batを実行する。「coLinuxをインストールしますか?」というダイアログボックスが表示されるので、[はい]ボタンをクリックすると、coLinuxのセットアップウィザードが起動する。

 ウィザードの指示に従って作業を進めると、インストールするコンポーネントの選択画面になる。[Root Filesystem image Dowonload]をオフにして[Next>]ボタンをクリックする。

[Choose Components]画面

 インストール先のフォルダを指定する画面、WinPCAPのインストールに関する情報画面を通過すると、インストールが始まる。途中で[ハードウェアのインストール]ダイアログボックスが表示される。

TAP-Win32 Adapterに関する[ハードウェアのインストール]ダイアログボックス

 [続行]ボタンをクリックしてしばらくすると、coLinuxのセットアップが完了する。[Finish]ボタンをクリックして、[後でネットワーク接続の設定を行ってください]というメッセージが表示されたら[OK]ボタンをクリックする。

 次に、Cygwinのインストールを行うかどうか問い合わせてくるので、[はい]ボタンをクリックしてインストールする。

 Cygwinのセットアップウィザードが起動したら、画面の指示に従って作業を進める。Cygwinのインストール方法選択画面では、[Install from Internet]を選択する。

[Choose A Download Source]画面

 さらに作業を進めると、インストールするパッケージの選択画面になる。今回の目的で必須なのは、X Window Systemである。[X11]カテゴリの右の「Default」をクリックして、これを「Install」に変えておく。

[Select Packages]画面。「Default」という文字列をクリックすると「Install」に変わる

 Cygwinのインストールが終わったら、coLinuxのネットワーク設定を行う。コントロールパネルの[ネットワーク接続]−[ローカルエリア接続]を右クリックし、コンテキストメニューで[プロパティ]を選択する。[ローカルエリア接続のプロパティ]ダイアログボックスが表示されたら、[詳細設定]タブをクリックする。[ネットワークのほかのユーザーに、このコンピュータのインターネット接続をとおしての接続を許可する]というオプションがあるので、それをオンにして[OK]ボタンをクリックする。

[ローカルエリア接続のプロパティ]ダイアログボックスの[詳細設定]パネル

 複数のネットワーク接続を持つPCの場合は、[ネットワークのほかのユーザーに、このコンピュータのインターネット接続をとおしての接続を許可する]オプションの下に[ホームネットワーク接続]というリストボックスが表示される。その場合は、TAP-Win32 Adapterの接続(「ローカルエリア接続2」「ローカルエリア接続3」のような名前になっている)を選択する必要がある。

注:coLinuxは、仮想ネットワークドライバのTAP-Win32を利用してcoLinuxをインストールしたPC(ホストPC)とcoLinuxの間に仮想ネットワークを構築する。その際、IPアドレスは192.168.0.1(TAP-Win32)と192.168.0.2(coLinux)に固定される。

ホストPCが接続している(実在の)LANが192.168.0.0/24を使用している場合、[ローカルエリア接続のプロパティ]ダイアログボックスの[詳細設定]パネルで、[ネットワークのほかのユーザーに、このコンピュータのインターネット接続をとおしての接続を許可する]というオプションをオンにするとエラーが発生する。この場合、LANを192.168.1.0/24などに変えるとcoLinuxが使える。

 以上でcoLinuxのインストール作業は終了だ。C:\Program Files\coLinuxフォルダにあるknoppix-256M.batを実行すると、KNOPPIXが起動する。その際、CD-ROMドライブにKNOPPIXのCD-ROMが入っている必要がある。

Windows上で起動したKNOPPIX。メニューの一部が表示されていない

 また、knoppix-light-128M.batを実行すると、KDEではなくWindowMakerで起動する。

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