Linux Tips | |
Thunderbirdでメールを暗号化/復号するには 北浦訓行 |
Thunderbirdは、GnuPGによるメールの暗号化/復号には対応していない。しかし、Enigmailというエクステンション(拡張機能)をインストールすることにより、暗号化と復号が可能になる。ここでは、Fedora Core 4を例にEnigmailの使い方を紹介する。
Enigmailのインストールを行う前に、ファイル暗号化用の公開鍵を作成するにはで紹介した方法で、公開鍵と秘密鍵を作成する。そして、暗号化メールをやり取るする相手と公開鍵を交換して、相手の公開鍵をgpgコマンドでインポートしておく。
$ gpg --import friend.pub |
GnuPGの準備ができたら、EnigmailのWebサイト(http://enigmail.mozdev.org/)からEnigmailとEnigmailの日本語パッケージをダウンロードする。サイトの上部にある「installation:」の[Download]リンクをクリックすると、OSやCPU別のEnigmailモジュール一覧が表示される。自分のシステムに合ったファイル(ここではv0.93.0-tb10-linux.xpl)をダウンロードする(注)。
注:Firefoxでリンクをそのままクリックすると、Firefoxに拡張機能がインストールされるので注意。 |
続いて、同じくサイト上部の「installation:」の[Language Pack]リンクをクリックして、日本語のランゲージパック(ここではenigmail-ja-JP-0.9x.xpl)をダウンロードしする。
ファイルをダウンロードしたらインストールする。Thunderbirdを起動して[ツール]メニューの[拡張機能]を選択して、[拡張機能]ダイアログボックスを表示する。[インストール]ボタンをクリックしてv0.93.0-tb10-linux.xplを指定し、[今すぐインストール]ボタンをクリックする。続いて、日本語ランゲージパックのenigmail-ja-JP-0.9x.xplをインストールする。
2つの拡張機能をインストールしたら、Thunderbirdを再起動する。すると、Thunderbirdのメニューに[OpenPGP]という項目が追加され、ツールバーに[復号化]アイコンが表示される(メールを開いたときのウィンドウでも同様)。また、メールの作成ウィンドウでは、従来あった[セキュリティ]アイコンが[S/MIME]という名前に変わり、[OpenPGP]アイコンが追加される。
Enigmailインストール後のメール作成ウィンドウ |
電子メールを暗号化して送信するには、メール作成ウィンドウで[OpenPGP]アイコンをクリックする。初めて暗号化する場合は、「このIDに対してOpenPGP securityがまだ設定されていません。今すぐ設定しますか?」というメッセージが表示されるので、[はい]ボタンをクリックする。
すると、[OpenPGPオプション]ダイアログボックスが表示される。ここでは、[このIDに対してOpenPGPを有効にする]をオンにする。また、[メッセージ作成時のデフォルトオプション]で必要なオプションをオンにする。
[OpenPGPオプション]ダイアログボックス |
[OpenPGPオプション]ダイアログボックスを閉じると、[OpenPGP 暗号化および署名]ダイアログボックスが表示されるので、必要なオプションを選択する。
[OpenPGP 暗号化および署名]ダイアログボックス |
以上の操作を行ってメールを作成すると、暗号化して送信される。
受信した暗号化メールは、そのメールを開くと(プレビューでも可)パスフレーズを入力するダイアログボックスが表示される。GnuPGの鍵を生成するときに設定したパスフレーズを入力すると、自動的に復号される。
Enigmailには、送信先によって署名、暗号化などの条件を設定する機能もあるので、ヘルプやWebサイトのドキュメントなどを参照していただきたい。
Linux Tips Index |
Linux Squareフォーラム Linux Tipsカテゴリ別インデックス |
|
- 【 pidof 】コマンド――コマンド名からプロセスIDを探す (2017/7/27)
本連載は、Linuxのコマンドについて、基本書式からオプション、具体的な実行例までを紹介していきます。今回は、コマンド名からプロセスIDを探す「pidof」コマンドです。 - Linuxの「ジョブコントロール」をマスターしよう (2017/7/21)
今回は、コマンドライン環境でのジョブコントロールを試してみましょう。X環境を持たないサーバ管理やリモート接続時に役立つ操作です - 【 pidstat 】コマンド――プロセスのリソース使用量を表示する (2017/7/21)
本連載は、Linuxのコマンドについて、基本書式からオプション、具体的な実行例までを紹介していきます。今回は、プロセスごとのCPUの使用率やI/Oデバイスの使用状況を表示する「pidstat」コマンドです。 - 【 iostat 】コマンド――I/Oデバイスの使用状況を表示する (2017/7/20)
本連載は、Linuxのコマンドについて、基本書式からオプション、具体的な実行例までを紹介していきます。今回は、I/Oデバイスの使用状況を表示する「iostat」コマンドです。
|
|