Linux Tips

スキャナをネットワークで共有するには

北浦訓行
2006/10/19

 ネットワーク経由でスキャナを接続できれば、複数のユーザーでスキャナを共有できる。そこで、ネットワーク経由でスキャナを使用する方法を紹介する。

 スキャナ関連のツールとして利用されるAPI、SANE(Scanner Access Now Easy)を使う。Fedora Core 5(FC5)の場合、OSインストール時にデフォルトのインストールオプションを選択していれば、SANE関連のパッケージがすべてインストールされている。

 次に、xinetdをインストールする。FC5ではyumコマンドでインストール可能だ。

# yum install xinetd

 xinetdをインストールしたら、rootでログインして/etc/sane.d/net.confを以下のように変更する。

# localhost
   ↓
localhost

 続いて、/etc/sane.d/saned.confに接続するクライアントPCのIPアドレスもしくはホスト名などを指定する。ここでは、192.168.0.30のマシンにスキャナ(キヤノンのFB636U)を接続するので、以下の設定を追加する。

192.168.0.30

 最後に、/etc/xinetd.d/sanedを作成して、以下の記述を行う。

service sane-port
{
    disable     = no
    port        = 6566
    socket_type = stream
    wait        = no
    user        = root
    server      = /usr/sbin/saned
}

 xinetdを再起動すれば、サーバ側の設定は完了だ。

# service xinetd restart

 次に、クライアントからアクセスできるかどうかを確かめる。確認するには、クライアント側で-Lオプションを付けてscanimageコマンドを実行する。スキャナが認識されていれば、以下のように、「device `net:〜」というメッセージが表示される。

$ scanimage -L
device `net:192.168.0.30:canon630u:libusb:004:016' is a CANON Canoscan FB630U flatbed scanner

 クライアントからスキャンを行うには、Xsaneを使用する。ただし、ネットワーク経由でスキャナを使用する場合、SANE_NET_HOSTSという環境変数にサーバのIPアドレスもしくはホスト名を設定する必要がある。

$ export SANE_NET_HOSTS=192.168.0.30 ←サーバのIPアドレスを設定
$ xsane ←Xsaneを起動

 ランレベルが5(FC5のデフォルト)の場合は、.bash_profileに以下の記述を追加して、ログインし直す。

export SANE_NET_HOSTS=192.168.0.30

 Xsaneの起動は[アプリケーション]メニューの[グラフィックス]−[Scanner Tool]を選択する。初回起動時は[xsaneエンドユーザー使用許諾]のウィンドウが表示される。[受理する]ボタンをクリックすると、Xsaneのウィンドウが表示される。

Xsaneのウィンドウ

 Xsaneの使用法は画像をスキャナで取り込むには(Xsane編)を参照していただきたい。

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