Windows Phoneはゲーム向けオンラインネットワーク「Xbox LIVE」を標準で搭載し、専用ゲームをダウンロードできたり、Xbox 360とも連携したりする。Windows Phoneのゲーム機能を見ていこう
Windows Phoneの大きな特徴の1つとして、ゲーム機能が充実していることがありますゲーム向けオンラインネットワーク「Xbox LIVE」を標準で搭載し、専用ゲームをダウンロードできるだけなく据え置きゲーム機のXbox 360とも連携するなど多彩な機能を備えている。Xbox 360が持つオンライン機能と比較しながら、Windows Phoneのゲーム機能を見ていこう。
Windows PhoneのXbox LIVE機能に言及する前に、まずはXbox 360向けに提供されているXbox LIVEの機能について確認しておこう。Xbox Liveでは、他のユーザーを「フレンド」として登録し、メッセージ送受信やゲームの招待といったコミュニケーションが可能。登録したフレンドは、Xbox LIVEでのオンライン状況や、現在どのゲームをプレイしているのかを一目で確認できる。
こうしたネットワーク機能は、ゲーム用ネットワークサービスとしては後発であるPlayStation Networkでも搭載されているが、Xbox LIVEは他のゲーム用オンラインサービスよりも相手とのコミュニケーション要素が強い。
その代表的な例が、Xbox 360が標準しているボイスチャット機能。Xbox 360のボイスチャットはゲームをプレイしなくても利用でき、ボイスチャット中にゲームを始めたりゲームを終わらせてもボイスチャットはそのまま続けることができる。
友達とまずはボイスチャットで会話をしつつ、「このゲームで遊ぼう」「今度はこのゲームね」と、コミュニケーションを続けながらゲームを自由に楽しめるのだ。また、有料の会員サービスではあるが、「パーティー」機能を使えば最大8人までのボイスチャットを利用することができ、離れた場所からもXbox 360を通じて複数人でオンラインゲームを楽しむことができる。
ソーシャルサービスにも対応しており、Xbox 360からFacebookやTwitterを利用することが可能。Facebookであれば最新情報やコメント、いいねなどの機能を、Twitterはツイートやリプライ、リツイートなど一通りの機能を備えている。また、FacebookはXbox LIVEとの連携機能も搭載。Facebookフレンドの中でXbox LIVEも使っているユーザーを一覧で表示し、Facebook経由でXbox LIVEのフレンドを登録することもできる。
これらXbox LIVEの機能は、サービスを前提としたコミュニケーションではなく、まずは相手を決めてコミュニケーションするという意味でWindows PhoneのPeople Hubと非常に近いコンセプトだ。ゲームを始めてからオンラインで相手を探すのではなく、自分の友達が遊んでいるゲームを見てから同じゲームを始めたり、ボイスチャットをしながらプレイするゲームを決められるため、コミュニケーションを前提にゲームを楽しむことができる。
本題であるWindows Phoneで利用できるXbox LIVEの機能も、基本的にはPCとほぼ同等の機能を備えている。Xbox LIVEアプリからはフレンドのオンライン状態を確認でき、メッセージの送受信、フレンドのリクエストも可能。Xbox 360で作成したアバターは、Windows Phoneで連携を行なうと自動的に表示されるほか、無料のアプリ「Xbox LIVE Extras」をインストールすることで、アバターの編集もWindows Phoneから行える。
アバターを作成すると、Xbox LIVEにアクセスする度に自分のアバターが走ってやってきたり、タイルメニューでもひょこっと顔を出して隠れたりと細かな演出が施されている。最新スペックのスマートフォンであれば処理的に難しくはないのだろうが、使っていて楽しくなる機能だ。
パソコンやXbox 360本体を立ち上げることなく、フレンドのオンライン状況を確認できるのは、Xbox LIVEのユーザーにとっては魅力的な機能だろう。帰宅途中にWindows Phoneでオンラインになっているフレンドを見付けたらまずはメッセージで連絡を取り、一緒にオンラインゲームを楽しむということもできる。
一方、Windows Phone同士、もしくはXbox 360からWindows Phoneへのコミュニケーションはやや使い勝手が悪い。Windows PhoneでXbox LIVEのメッセージを受け取った場合、Messaging機能と違って画面での通知はされないだけでなく、Xbox LIVEを起動しても新着メッセージはリアルタイムには表示されない。逆にWindows PhoneからXbox 360にメッセージを送った場合はリアルタイムに表示されるため、Windows Phoneからのメッセージやフレンドリクエストは今のところXbox 360前提で考えた方が良さそうだ。
また、Xbox Liveの機能はWindows Phone上で独立した存在になっており、メッセージやフレンドはPeople Hubとは連携されていない。TwitterやFacebookといったソーシャルサービスのコミュニケーションはPeople Hubで一元化できるだけに、同じマイクロソフトのサービスであるXbox LIVEのコミュニケーションは独自でチェックする必要があるというのは惜しい。メッセージ通知の強化なども含め、People HubでのXbox LIVE対応も望まれる。
Windows Phoneで利用できるゲームはXbox LIVE対応と非対応の2種類があり、前者はアイコンに「Xbox LIVE」の文字が表示され、カテゴリ上でも区別される。XBOX LIVE対応のゲームはXbox 360と同様、自分がプレイしたゲームの実績として登録される。なお、現在のところWindows Phoneではオンラインで対戦できるようなゲームは提供されていないものの、Windows Phoneの「リクエスト」画面にはゲームの招待やターンの要求といったオンライン対応の記述も見受けられるため、Windows Phone同士でのオンライン対戦も技術的には可能のようだ。
配信されているXBOX LIVE対応ゲームは「NEED FOR SPEED」「PAC-MAN」「SONIC THE HEDGEHOG」といったゲーム機のタイトルに加え、「Angry Birds」のようにスマートフォンで人気だったゲームもXbox LIVE対応としてリリースされている。画質や操作感などは携帯ゲーム機に引けを取らないクオリティで、タッチ操作が苦にならないタイトルであればゲーム機と同等の感覚で楽しめる。
とはいえ、全体的にゲームの数はまだ多いとはいえない状況であり、ほとんどのタイトルが日本語でプレイできないなど、日本市場ではまだまだこれからという印象を受けた。なお、ほとんどのXBOX LIVE対応ゲームは有料で配信されているが、ゲームの一部分のみを無料で体験できる「試用」という機能が用意されているため、どんなゲームなのかは気軽に試すことができる。また、Windowsにプリインストールされていることでもなじみのある「Minesweeper」は無料で利用可能。Xbox LIVE連携を試してみるのはちょうどいいだろう。
iPhoneやAndroidといったスマートフォンでもゲームアプリの数は増えており、携帯ゲーム機に引けを取らないタイトルが多数展開されている。また、FacebookやGoogle+などのソーシャルサービスも、コミュニケーションを軸としたゲームアプリに力を入れている。こうした他のスマートフォンやサービスに対し、Xbox LIVEが優れている点は標準で充実したネットワーク機能を搭載し、さらにXbox 360というゲーム機とも連動していることだろう。
機能面ではまだ物足りない部分もあるものの、ゲーム機かスマートフォンかを気にすることなく友達とゲームを楽しめるという点は強力。日本語対応やメッセージの通知というところにまだ課題はあるが、今後のタイトルや機能強化次第ではゲームプラットフォームとしても魅力的な存在になりそうだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.