O/RマッピングツールであるHibernate(編集注)やEJBを利用する際にオブジェクトとRDBMSのテーブルの対応付けを行う必要がありますが、マッピングファイルや配備記述子などのファイルを作成する必要があり面倒です。ここで、Middlegenと呼ばれるツールを利用するとデータベースに定義したテーブル情報からマッピングファイル/配備記述子、Javaクラスの生成を行うことができ便利です。しかし、MiddlegenはAntタスクとして提供されており、Antのビルドファイルを記述する必要があり、初心者には導入の敷居が高いという問題があります。
編集注:Hibernateについては「Hibernateで理解するO/Rマッピング」(Java Solution)を参照ください。
MiddlegenIDEは、Eclipse上から簡単にMiddlegenを利用するためのプラグインです。ウィザードからデータベースの接続情報を入力するだけで簡単にMiddlegenを利用することができます。MiddlegenIDEは、HibernateとEJBに対応しており、利用イメージは、図8のようになります。
■特長
・Hibernate対応
データベースに定義されたテーブルからHibernateのマッピングファイルとPOJO、データベースへの接続情報が記述されたHibernateの設定ファイルを生成します。また、Hibernateの利用に必要な必要最小限のjarファイルのコピーとEclipseプロジェクトへのセットアップを自動的に行ってくれます。これらのファイル生成やセットアップにより、開発者は即座にHibernateを利用することができます。
・EJB対応
EJB 2.1に対応したCMPを生成することができます。また、EJB 3に対応したコードも生成することができますが、EJB 3の仕様自体がまだ固まっていないため、この機能は実験的です。
・Antのビルドファイルを生成
MiddlegenIDEはユーザーが入力したデータベース接続情報を基にAntのビルドファイルを生成し、Middlegenを実行します。Antのビルドファイルをカスタマイズすることにより、Middlegenの機能をすべて利用することができます。
■入手方法
下記のSourceForgeのMiddlegenプロジェクトのサイトよりMiddlegenIDE 1.2.0をダウンロードします。
アーカイブをEclipseディレクトリで解凍すればインストールは完了です。
■使い方
ここでは、Hibernateで利用するマッピングファイルとJavaクラスの作成を例にMiddlegenIDEの使い方を説明します。Javaプロジェクトを作成し、プロジェクトのソースパスを設定しておきます。MiddlegenIDEによって生成されるファイルは設定したソースパスに出力されます。プラグインからMiddlegenを起動するには、次のようにして、ウィザードを利用します。Eclipseメニューの[ファイル]→[新規]→[その他]を選択し、ツリーから[Middlegen]→[Middlegen Build File]を選択。[次へ]を押します。「middlegen-build.xml」ファイルを指定し、[次へ]ボタンを押と、次のデータベース情報入力ダイアログが現れます。
データベース接続情報を入力し、「テーブルの読み込み」ボタンを押す。すると、テーブル一覧が「テーブル」欄へ表示されるので、Hibernateで利用したいテーブルを選択、生成されるファイルのパッケージ名を選択して「終了」ボタンを押します。図10のMiddlegenの起動画面が表示されます。
この画面で、「Generate」ボタンを押してMiddlegen画面の右上の×ボタンを押して閉じると、テーブルにアクセスするためのPOJO、マッピングファイル、それから、Hibernateの設定ファイル(hibernate.cfg.xml)が生成され、Eclipseのプロジェクトに設定されます(図11)。
このようにMiddlegenIDEを使うと簡単にHibernateの実行環境を構築することができます。
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