定期的なビルドを導入すると、ビルド結果をメールで通知してほしくなってきます。Jenkinsはビルドの結果を自動的にメールで送信する機能を持っています。メール送信機能を利用するには、Jenkinsの「システムの設定」とジョブの「設定」を行う必要があります。
まず、「システムの設定」ですが、Jenkinsのトップページから[Jenkinsの管理]→[システムの設定]を選択します。下の方にある[E-mail通知]画面で、[SMTPサーバー]と[管理者のメールアドレス](送信されたメールアドレスのFrom欄に設定)、[Jenkins URL]を指定します。
次に、ジョブの画面の「設定」からビルド結果の通知先のメールアドレスを設定します。
デフォルトの設定では、ビルド・テストに失敗した場合と、ビルド・テストを全て合格して安定したビルドになったときにメールを送信するようになっています。ビルド・テストに問題がない状況が続いた場合は、メールは送信されません。
Jenkinsのトップから[Jenkinsの管理]→[Windowsのサービスとしてインストール]を選択すると、JenkinsをWindowsのサービスとしてインストールできます。
Windowsのサービスとしてインストールすれば、Windowsが起動したときにJenkinsを明示的に起動する必要はなくなりますし、コンソールも表示されなくなります。
前述したように、Jenkinsは“プラグイン”アーキテクチャにより、プラグインでさまざまな機能を追加できます。プラグインの追加は、Jenkinsの管理画面から簡単にできます。
Jenkinsのトップページから、[Jenkinsの管理]→[プラグインの管理]からプラグインマネージャの画面を開きます。ここで、[利用可能]のタブをクリックすると、利用できるプラグイン一覧が表示されます。インストールしたいプラグインにチェックを入れて[インストール]をクリックするだけでプラグインをインストールできます。
また、プラグインマネージャの[アップデート]からは新しいプラグインが利用できる場合、バージョンアップできます。
インストールしたプラグインは、Jenkinsを再起動すると、有効になります。Jenkinsを再起動するには、[Jenkinsの起動]というタイトルのコンソールを閉じ、スタートメニューの[Trac]→[Jenkinsの起動]を選択します。Windowsサービスとしてインストールしていれば、Jenkinsサービスを再起動します。
なお、Webアクセスにプロキシの設定が必要な環境で利用する場合、プラグインマネージャの[高度な設定]からプロキシを設定してください。
Jenkinsには、たくさんのプラグインが提供されており、どれを使えばいいか迷ってしまいます。
Trac Lightningでは、Java開発で使えるプラグインをあらかじめインストールした状態で提供しているので、迷うことなく導入できます。Trac Lightningに同梱しているプラグインは次の通りです。
プラグインによっては、プラグインを導入しただけでは利用できず、ビルドで生成したファイルを指定する必要があるものもあります。
例えば、Trac Lightningのサンプルでは、CheckStyle、FindBugs、PMD、PMD-CPD(Copy/Paste Detector)、Emmaの結果をビルド時に出力するようにしています。CheckStyleの設定例を示すと、以下のようになります。
<plugin>
<groupId>org.apache.maven.plugins</groupId>
<artifactId>maven-site-plugin</artifactId>
<version>3.0-beta-2</version>
<configuration>
<locales>ja</locales>
<reportPlugins>
:
【略】
:
<plugin>
<groupId>org.apache.maven.plugins</groupId>
<artifactId>maven-checkstyle-plugin</artifactId>
<version>2.6</version>
<configuration>
<configLocation>src/conf/sun_checks_eclipse.xml</configLocation>
</configuration>
</plugin>
:
【略】
:
上記のプラグインによる出力結果をJenkins上で表示する方法は、ジョブの設定から確認できます。
ざっと、サンプルを通してJenkinsで何ができるかを紹介してきました。Jenkinsは継続的インテグレーションを行うツールですが、ビルドの自動化と結果の確認だけでなく、静的解析の結果やカバレッジの履歴のグラフ化など、一世代前の継続的インテグレーションツールに比べ、より高度なことができるようになっています。
今回は、Javaでの利用をメインに紹介してきましたが、Java以外の言語でも利用できるようになっています。まだ継続的インテグレーションをプロジェクトを導入していない方は、これを機にぜひJenkinsを使ってみてはいかがでしょうか。
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