オープンソースのコンテナー管理ソフトの最新版「Docker 1.0」がリリースされた。マイクロソフトもMicrosoft Azure上のDocker利用を支援するデモを披露した。
オープンソースのコンテナー管理ソフトウェアである「Docker」の正式版となる「Docker 1.0」が2014年6月9日にリリースされた(「関連記事」)。
これまでのDockerは本番環境への導入は奨励されていなかったが、バージョン「1.0」に到達したことで、企業のIT基準を満たせるレベルの品質や完成された機能、後方互換性、安定したAPIが提供できるようになったと、Docker社のブログには記されている。また、企業で本番環境に導入してもらうための解説書や研修プログラム、プロフェッショナルサービス、エンタープライズサポートも用意したという。
さらに、Dockerがアプリケーションライフサイクルのあらゆる段階において幅広い用途で使われていることを踏まえ、今後はDockerをプラットフォームの名称とすると発表。そのコンポーネントとして、コンテナーランタイムとパッケージングツールで構成する「Docker Engine」と、コラボレーションやワークフロー自動化のためのWebサービス「Docker Hub」を提供する。
1.0では開発者向けの新機能として、ビルドコンテキストからファイルやフォルダーをそのままコピーできる「COPY」などのインストラクションが加わった。
管理者向けの機能では、コンテナーの実行一時停止と停止解除ができるようになったほか、デバイスからコンテナーへのアクセスに関するセキュリティプロファイルを更新。ストレージおよびファイルシステム関連では、Device Mapperの改善、XFSのサポート、物理デバイスを使用できる機能などが盛り込まれた。
Docker 1.0リリースの発表に合わせ、米マイクロソフトは同日サンフランシスコで開かれた「DockerCon」において、Microsoft Azure上でのDocker利用を支援する新しいコードのデモを披露した。
Microsoft Azure上でのDocker利用は、Virtual Machine(VM)Extensionsを使って実現している。利用するには、Microsoft Open TechnologiesがGitHub上に公開している「Microsoft Azure CLI(Cross-Platform Command-Line Interface)」をソースコードからビルドする必要がある。Microsoft Open Technologiesでは、このMicrosoft Azure CLIを間もなくメインプロジェクトにマージしてリリースすると表明している。
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