富士通はシステム運用管理の自動化ソリューションとして「Systemwalker Runbook Automation V15」を用意している。2010年から提供してきたSystemwalker Runbook Automationの最新版で、2014年のミドルウェアプロダクトポートフォリオでは、プライベートクラウドを支えるソフトウェア製品に位置付けている。最新版はWindows Server 2012 R2やWindows 8.1に対応したV15.1.3(2014年11月現在)。
運用管理スタッフが運用手順書を見ながら行っていた作業を自動化することで、運用コスト削減、運用品質向上を支援する。OSやミドルウェアに対する操作だけではなく、人による確認・判断も含めた運用管理ステップも定義、自動化することで、効率的に運用管理の標準化を狙える。
参考リンク:「FUJITSU Software Systemwalker Runbook Automation」紹介ページ(富士通)
特徴は大きく2つ。一つは自動化する運用プロセスの簡単・確実な実装だ。専用のGUIツール「自動運用プロセス開発画面」上で、人の作業とITシステムの操作をまとめた一連の手順をシンプルに定義できる。「仮想サーバーを起動」「関係者にメールを送信」といった「運用操作部品」が用意されており、ユーザーはカテゴリ別に整理された部品の中から必要なものを選んでドラッグ&ドロップ操作で画面上に配置、線でつなげていくだけで運用プロセスを定義できる。
もう一つは、運用自動化機能と、システム構成/稼働情報の可視化機能の連携を実現している点だ。具体的には、自動運用する物理/仮想サーバー、OS、ミドルウェアなどの情報を、構成管理データベース(以下、CMDB)で一元管理。CMDBで現在のシステム構成を参照しながら、自動運用プロセスを実行する。クラウドや大規模環境にも対応する。
仮想サーバーに割り当てるリソース容量など、人が行う判断や承認作業については、担当者にメールを自動送信し、管理画面上での判断・承認を促す。これにより、ビジネスの状況に応じて仮想サーバーの台数が増減するなど、システム構成が変化する仮想環境でも、IT資産とガバナンスを確実に担保しながら自動運用が行える仕組みだ。
カレンダースケジュール機能により、月間の運用スケジュールの自動実行も可能。また、ジョブスケジューラーとしては「Systemwalker Operation Manager」を用意。設定したタイムスケジュールに沿って、サーバー電源の投入/切断やファイル転送、バッチジョブのキュー管理などのルーティンを自動化することもできる。
運用自動化の一つのメリットは、人の手を介さないことで、ルール、プロセスの形骸化を抑制できること。CMDBで構成管理を一元化するなど、“ITILに沿った運用プロセスの仕組み作り”を支援している点からも、単なる工数削減、コスト削減だけの手段ではないことがうかがえるのではないだろうか。
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