NECでは、運用自動化製品「WebSAM vDC Automation」と、サービスポータル基盤とクラウドサービス管理機能を提供する「WebSAM Cloud Manager」を組み合わせて提供している。WebSAM vDC Automationは、2013年6月にリリースしたVer2.0で、OpenFlow連携によるクラウド管理に対応した。
WebSAM vDC Automationは、社内の既存IT資産をリソースプールとして統合管理する「リソースプール管理」機能と、ITリソースの切り出し・配備などの作業を、定義した手順に沿って自動的に行う「運用自動化」機能を持つ。
運用自動化機能では、仮想サーバーのプロビジョニングなど、「複数の管理ツールを使って、複数のステップを踏む作業」を自動化できる。仮想サーバーのプロビジョニングだけではなく、ストレージの割り当て、ネットワークの設定、アプリケーションのインストール、その監視設定まで含めて自動化できる点がポイントだ。
参考リンク:「WebSAM vDC Automation/Network Automation」紹介ページ(NEC)
リソースプール管理機能は、既存のサーバー、ネットワーク、ストレージに加え、仮想マシンやその上に構築した業務システムを一元管理する機能。モニタリング、障害監視、性能管理といった運用管理機能を持ち、各種ITリソースの使用状況を専用管理画面で一元的に把握・管理できる。
Ver2.0では、SDN(Software-Defined Networking)の概念を取り込み、NECのOpenFlow技術を取り入れたProgrammableFlow Controller「UNIVERGE PF6800」との連携によって、仮想サーバーと仮想ネットワークを集中制御できるようになった。また、広域に分散して設置されたDCを一元管理することで、10万台規模の仮想サーバーを保有する大規模な仮想DCの運用も可能になった。
一方、WebSAM Cloud Managerは、ユーザーの要求に対して自動的にITリソースを配備するプライベートクラウド環境の管理機能を提供する。管理画面上でユーザーが希望するリソースのスペックを指定すると、WebSAM vDC Automationにリクエストを送信。WebSAM vDC Automationが自動化シナリオに沿ってリソースを切り出し、WebSAM Cloud Managerの管理画面上で、そのリソースのIPアドレスやアカウント情報などを通知する。これにより、業務部門のエンドユーザー自身がリクエストして必要なITリソースが自動的に配備される。
運用自動化を核にプライベートクラウドの実現を支援する他、SDNによって複数のデータセンター間でのネットワークを一元管理可能とするなど、ビジネスニーズへの対応スピードと安全性の両立を図っている点が一つの特徴といえよう。今後のプライベートクラウド環境構築の一つのモデルケースが見えてくるのではないだろうか。
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