野村総合研究所(以下、NRI)は、統合運用管理製品「Senju Family」を提供している。2014年9月にリリースされた「Senju Family 2014」では、開発部門がシステム運用の作業を直接行うための「セルフメンテナンス」機能が拡充された。
Senju Familyは、システム全体の可視化と運用自動化を担う運用管理ツールの「Senju Operation Conductor」、ITILやISO20000(ITSMS)に沿った運用管理を支援するサービスデスクツール「Senju Service Manager」、複数の運用管理ツールを束ねた統合管理とITサービスマネジメントの最適化を行う統合管理基盤「Senju Enterprise Navigator」の3製品で構成する。これらをSenju Service Automation機能と呼ばれる自動化機能で連携させることで、さまざまな運用自動化を実現している。
参考リンク:「Senju Operation Conductor」紹介ページ(NRI)
Senju Operation Conductorは、物理/仮想サーバーのCPU使用率、メモリ使用率、ネットワーク使用率をはじめ、300種類以上の監視項目に対応。監視した稼働情報をグラフなどで可視化する「キャパシティ管理」機能や、物理/仮想の混在環境について、エージェントレスでシステムの構成情報を自動収集して一元管理できる「構成管理」機能などを持つ。
また、Senju Service Managerはユーザー部門や開発部門からの要求を受け付けるサービスデスク機能をはじめ、申請処理のワークフロー機能、インシデント管理機能などITIL支援機能を持つ。Senju Enterprise Navigatorは、役割・立場に応じてシステム情報を提供する「マルチビュー」機能や、マルチベンダーの運用管理製品を連携させる「ハブエンジン」機能などを持つ。
Senju Family 2014では、プロセス管理、作業自動化、稼働統計分析の各機能が強化された。プロセス管理では、申請管理、変更管理、サービスレベル管理などの業務プロセスを支援する機能において、バリデーションチェック機能やスマートフォンによる確認/承認などが強化された。
また、変更管理では、作業を施す環境の確認機能やテンプレートの拡張により、これまで人の判断を要した複雑な作業の自動化も可能に。また、システムの状態やジョブの稼働状況について、過去の履歴から現在までの状況を時系列で把握することが可能になった。
Senjuの場合も、ITILに沿った運用管理の流れが見えやすい製品連携となっている。あらためて、ルールを形骸化させない仕組みとしての運用自動化の意義を読み取れるのではないだろうか。
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