MicrosoftとCrayが戦略的提携を結んだ。Microsoft AzureでCrayのスーパーコンピュータを利用できるようにし、顧客のHPCやAIのニーズに対応していく。
Microsoftとスーパーコンピュータ大手Crayは2017年10月23日(米国時間)、Microsoft Azure(以下、Azure)のデータセンターでCrayの専用スーパーコンピュータシステムを提供するという戦略的提携を結んだと発表した。
両社は、Crayのスーパーコンピュータ「Cray XC」「Cray CS」、これらのスーパーコンピュータと接続された「ClusterStor Storage Systems」を、Azureデータセンターを使っている特定の顧客向けに提供。これらは、Azure Virtual Machine、Azure Data Lake Store、Microsoft AIプラットフォーム、Azure Machine Learningと簡単に連携できる。また顧客は、分析ソフトウェアスイート「Cray Urika-XC」やハイブリッドHPC(ハイパフォーマンスコンピューティング)管理ソフトウェア「CycleCloud」も利用できる。
両社は提携のポイントを次のように説明している。
「Crayの密結合システムアーキテクチャとインターコネクト『Aries』により、今日の企業が求める、コンピューティング能力、リアルタイムの洞察、スケーラブルなパフォーマンスに対応していく。顧客は、Azureにシームレスに接続されたスーパーコンピューティングを活用して問題解決力を高めることが容易になる。人工知能(AI)や高度な分析、モデリング、シミュレーションといったワークロードを実行できる。CrayとMicrosoftはこうしたメリットを、これまでオンプレミスでCrayのシステムを購入、活用できなかった新しい顧客層にも提供していく」
具体的には、以下のような用途が、数日や数分で可能になるという。
Crayの社長兼CEOを務めるピーター・ウンガロ氏は、「提携により、顧客は競争力を高めるために必要なクラウドベースのスーパーコンピューティング能力を活用できるようになる」と述べている。
MicrosoftのMicrosoft Azure担当コーポレートバイスプレジデントを務めるジェイソン・ザンダー氏は、「提携により、顧客はこれまで思いもよらなかった新しいシナリオを作ったり、妥協のないパフォーマンスとスケーラビリティを享受したりすることが可能になる。さらにHPCやAIを利用することで、科学やエンジニアリング、医療の分野でのブレークスルーを実現でき、新時代を開けるようになるだろう」と説明している。
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