【 lastlog 】コマンド――ユーザーごとの最終ログイン情報を表示するLinux基本コマンドTips(293)

本連載は、Linuxのコマンドについて、基本書式からオプション、具体的な実行例までを紹介していきます。今回は、ユーザーごとの最終ログイン情報を表示する「lastlog」コマンドです。

» 2019年03月29日 05時00分 公開
[西村めぐみ@IT]
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 本連載は、Linuxのコマンドについて、基本書式からオプション、具体的な実行例までを紹介していきます。今回は、ユーザーごとの最終ログイン情報を表示する「lastlog」コマンドです。

lastlogコマンドとは?

 「lastlog」はユーザーごとの最終ログイン情報を表示するコマンドです。「/var/log/lastlog」ファイルに基づき、ログイン名とポート、最終ログイン日時を表示します。

 なお、全てのログイン履歴を一覧表示するには、「last」コマンド(連載第291回)を、ログインエラー履歴を一覧表示するには「lastb」コマンド(第292回)を使います。



lastlogコマンドの書式

lastlog [オプション]

※[ ]は省略可能な引数を示しています。





lastlogの主なオプション

短いオプション 長いオプション 意味
-u ユーザー名 --user ユーザー名 表示対象のユーザー名を指定する
-t 日数 --time 日数 指定した日数以内の最終ログイン情報を表示する
-b 日数 --before 日数 指定した日数より前の情報を表示する
-R ディレクトリ --root ディレクトリ chrootするディレクトリを指定する


ユーザーごとに最終ログイン情報を表示する

 「lastlog」で、全ユーザーを対象として、最終ログイン情報を表示します(画面1)。一度もログインしていないユーザーについては「**Never logged in**」あるいは「**一度もログインしていません**」と表示します。

 表示はユーザーID(UID)順です(第228回)。従って先頭はroot(UID=0)となり、一般ユーザー(CentOSやUbuntuの場合は1000番以降)は最後の方に表示されるでしょう。

 表示件数が多いため、実行例ではheadコマンドとtailコマンドで、冒頭と末尾だけをそれぞれ表示しています。

コマンド実行例

lastlog

(ユーザーごとに最終ログイン情報を表示する)(画面1


画面1 画面1 最終ログイン情報を表示したところ


ユーザーや日数を指定して表示する

 「lastlog -u ユーザー名」で、指定したユーザーの情報だけを表示します(画面2)。

 「lastlog -t 7」で直近7日以内のログイン情報、「lastlog -b 7」で7日より前のログイン情報を表示します。「-b」の場合、一度もログインしていないユーザーの情報も表示します。

 画面2ではユーザー「study」の情報、1週間以内のログイン情報、1週間より前のログイン情報を順に表示しています。最後のコマンドラインでは、ログインしていないユーザーの情報を除外するために、grepコマンドの「-v」オプションを使って、パターンに一致しない行を表示しています(※1)。

※1 「**」が含まれる行を除外する場合は、エスケープ文字「\」を使って「-v "\*\*"」のように指定する。



コマンド実行例

lastlog -u ユーザー名

(指定したユーザーの情報を表示)

lastlog -t 日数

(指定した日数以内の情報を表示する)

lastlog -b 日数

(指定した日数より前の情報を表示する)


画面2 画面2 条件を指定して最終ログイン情報を表示したところ


筆者紹介

西村 めぐみ(にしむら めぐみ)

PC-9801NからのDOSユーザー。PC-486DX時代にDOS版UNIX-like toolsを経てLinuxへ。1992年より生産管理のパッケージソフトウェアの開発およびサポート業務を担当。著書に『図解でわかるLinux』『らぶらぶLinuxシリーズ』『Accessではじめるデータベース超入門[改訂2版]』『macOSコマンド入門』など。2011年より、地方自治体の在宅就業支援事業にてPC基礎およびMicrosoft Office関連の教材作成およびeラーニング指導を担当。


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