本連載は、Linuxのコマンドについて、基本書式からオプション、具体的な実行例までを紹介していきます。今回は、ユーザーごとの最終ログイン情報を表示する「lastlog」コマンドです。
本連載は、Linuxのコマンドについて、基本書式からオプション、具体的な実行例までを紹介していきます。今回は、ユーザーごとの最終ログイン情報を表示する「lastlog」コマンドです。
「lastlog」はユーザーごとの最終ログイン情報を表示するコマンドです。「/var/log/lastlog」ファイルに基づき、ログイン名とポート、最終ログイン日時を表示します。
なお、全てのログイン履歴を一覧表示するには、「last」コマンド(連載第291回)を、ログインエラー履歴を一覧表示するには「lastb」コマンド(第292回)を使います。
lastlog [オプション]
※[ ]は省略可能な引数を示しています。
短いオプション | 長いオプション | 意味 |
---|---|---|
-u ユーザー名 | --user ユーザー名 | 表示対象のユーザー名を指定する |
-t 日数 | --time 日数 | 指定した日数以内の最終ログイン情報を表示する |
-b 日数 | --before 日数 | 指定した日数より前の情報を表示する |
-R ディレクトリ | --root ディレクトリ | chrootするディレクトリを指定する |
「lastlog」で、全ユーザーを対象として、最終ログイン情報を表示します(画面1)。一度もログインしていないユーザーについては「**Never logged in**」あるいは「**一度もログインしていません**」と表示します。
表示はユーザーID(UID)順です(第228回)。従って先頭はroot(UID=0)となり、一般ユーザー(CentOSやUbuntuの場合は1000番以降)は最後の方に表示されるでしょう。
表示件数が多いため、実行例ではheadコマンドとtailコマンドで、冒頭と末尾だけをそれぞれ表示しています。
lastlog
(ユーザーごとに最終ログイン情報を表示する)(画面1)
「lastlog -u ユーザー名」で、指定したユーザーの情報だけを表示します(画面2)。
「lastlog -t 7」で直近7日以内のログイン情報、「lastlog -b 7」で7日より前のログイン情報を表示します。「-b」の場合、一度もログインしていないユーザーの情報も表示します。
画面2ではユーザー「study」の情報、1週間以内のログイン情報、1週間より前のログイン情報を順に表示しています。最後のコマンドラインでは、ログインしていないユーザーの情報を除外するために、grepコマンドの「-v」オプションを使って、パターンに一致しない行を表示しています(※1)。
※1 「**」が含まれる行を除外する場合は、エスケープ文字「\」を使って「-v "\*\*"」のように指定する。
lastlog -u ユーザー名
(指定したユーザーの情報を表示)
lastlog -t 日数
(指定した日数以内の情報を表示する)
lastlog -b 日数
(指定した日数より前の情報を表示する)
西村 めぐみ(にしむら めぐみ)
PC-9801NからのDOSユーザー。PC-486DX時代にDOS版UNIX-like toolsを経てLinuxへ。1992年より生産管理のパッケージソフトウェアの開発およびサポート業務を担当。著書に『図解でわかるLinux』『らぶらぶLinuxシリーズ』『Accessではじめるデータベース超入門[改訂2版]』『macOSコマンド入門』など。2011年より、地方自治体の在宅就業支援事業にてPC基礎およびMicrosoft Office関連の教材作成およびeラーニング指導を担当。
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