本連載は、Linuxのコマンドについて、基本書式からオプション、具体的な実行例までを紹介していきます。今回は、地域を選択してタイムゾーンを調べる「tzselect」コマンドです。
本連載は、Linuxのコマンドについて、基本書式からオプション、具体的な実行例までを紹介していきます。今回は、地域を選択してタイムゾーンを調べる「tzselect」コマンドです。
「tzselect」は地域を選択してタイムゾーンを調べるコマンドです。日時やタイムゾーンを設定する機能はありません。
コマンドラインでタイムゾーンを設定する際には「Asia/Tokyo」といった文字列が必要です。tzselectコマンドを使うと、地域を選択してどのような文字列を設定すべきなのかを確認できます。
tzselect
tzselectコマンドにはオプションがありません。
「tzselect」を実行すると、地球上の大まかな地域名を一覧で表示します(画面1)。その中から1つを選び、番号を入力します。さらに国(地域)を選択すると、タイムゾーンを表す文字列を確認できます(画面2〜4)。米国やロシアのように多数のタイムゾーンがある国の場合はさらに都市名を選択する必要があります。
タイムゾーンを表す文字列と同時に確認メッセージが表示されるので、「1」を入力して終了してください。[CTRL]+[C]キーで、実行を中断することもできます。
なお、tzselectコマンドはAWKスクリプト(第115回)で、「/usr/share/zoneinfo」以下の情報を使い、タイムゾーンに設定すべき値を表示しています(※1)。違う場所の情報を使いたい場合は環境変数「TZDIR」で指定します。
tzselect
(タイムゾーンを確認する)
tzselectコマンドはタイムゾーンの設定に使う文字列を表示するだけで、設定を行う機能はありません。タイムゾーンを設定するには別の手順が必要です。
コマンドライン環境で一時的にタイムゾーンの設定を変更したい場合は、環境変数「TZ」にtzselectで調べた値をセットします。すると、例えば「date」コマンドの表示が指定したタイムゾーンの値になります(画面5)。
画面5のような内容をシェルの設定ファイル(~/.bashrc)で設定すると、コマンドラインでは常にこの値を使用します。
グラフィック環境で、ユーザーの設定を変更したい場合は「timedatectl」コマンドを使用します(連載第312回)。環境変数TZが設定されていない場合は、「timedatectl」で設定した値を使用します。常にあるタイムゾーンを使いたいのであればtimedatectlコマンドで設定するとよいでしょう。
西村 めぐみ(にしむら めぐみ)
元々はDOSユーザーで「DOS版UNIX-like tools」を愛用。ソフトハウスに勤務し生産管理のパッケージソフトウェアの開発およびサポート業務を担当、その後ライターになる。著書に『図解でわかるLinux』『らぶらぶLinuxシリーズ』『Accessではじめるデータベース超入門[改訂2版]』『macOSコマンド入門』など。地方自治体の在宅就業支援事業にてMicrosoft Officeの教材作成およびeラーニング指導を担当。会社などの"PCヘルパー"やピンポイント研修なども行っている。
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