Windows 10からWindows 11へ無償アップグレードする方法は、大きく3種類ある。Windows Updateを使うのが、最も手軽で安全だ。しかし、Windows Updateに配信されるまで待つ必要がある。このようにアップグレード方法にはメリット/デメリットがある。そこで、本稿では、この3種類のアップグレード方法の手順と、それぞれのメリット/デメリットを紹介する。
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対象:Windows 10
2021年10月末になり、Windows UpdateによるWindows 10からWindows 11への無償アップグレードの対象が大きく広がっている。多くのPCで[Windowsの設定]アプリの[更新とセキュリティ]−[Windows Update]画面で「Windows 11へのアップグレードの準備ができました」と表示されるようになった。
Windows 11への無償アップグレード方法は以下の3種類がある。
方法 | メリット | デメリット |
---|---|---|
Windows Update | 手軽で安全性が高い/アプリや個人用ファイルなどが引き継げる | [Windows Update]画面に[ダウンロードしてインストール]ボタンが表示されるまで待つ必要がある |
インストールアシスタント | すぐにアップグレードできる/アプリや個人用ファイルなどが引き継げる | 不具合の発生する可能性がある |
インストールイメージ(ISOファイル) | 引き継ぐ項目(アプリ/個人用ファイル/設定)が選択できる | 不具合の発生する可能性がある/手順が少々煩雑 |
Windows 11にアップグレードする3つの方法 |
ここでは、この3種類のアップグレード方法の手順と、それぞれのメリット/デメリットを紹介する。なお、インストールUSBメモリなどを使ってクリーンインストールする方法もあるが、アップグレードではないのでここでは触れない。
Windows 10からWindows 11への無償アップグレードは、全てのPCが対象ではなく、Windows 11が実行できる「システムの最低要件」を満たしている必要がある。それを確認するには、「PC正常性チェック」ツールを実行すればよい。
「PC正常性チェック」ツールは、2021年10月に提供された、その他の更新プログラムの「2021-10 x64ベースシステム用Windows 10 Version 21H1更新プログラム(KB5005463)」を適用すると、強制的にインストールされる(KB5005463については、Windowsサポート「KB5005463 - PC正常性チェックアプリケーション」参照のこと)。
「PC正常性チェック」ツールがインストールされていない場合は、WebブラウザでMicrosoftの「新しいWindows 11 OSへのアップグレード」ページで「互換性の確認」欄にある[PC正常性チェックアプリのダウンロード]リンクをクリックして、「WindowsPCHealthCheckSetup.msi」をダウンロード、これを実行すればよい(Tech TIPS「Windows 11にアップグレード不可!? 諦めるその前に」参照のこと)。
また、[Windowsの設定]アプリの[更新とセキュリティ]−[Windows Update]画面を開くと、PCによっては「Windows 11へのアップグレードの準備ができました」もしくは「このPCでWindows 11を実行できます」と表示され、アップグレード可能であることが確認できる。
PCをWindows 11へ無償アップグレードできるなら、以下のアップグレード方法でWindows 11にすることが可能だ。
Windows 11への無償アップグレードで最も簡単で安全なのが、Windows Updateを使う方法だ。Windows Updateでは、検証が行われ、問題の発生がないと思われるPCに対して順次Windows 11の配信を行っている。AMD製プロセッサの速度低下など、既に不具合の発生が判明している環境に対しては、Windows UpdateによるWindows 11の配信がブロックされている。
Windows 11を早急にインストールしたい特段の理由がない限り、Windows UpdateでWindows 11へのアップグレードが可能になるまで待った方がよい。
Windows UpdateでWindows 11にアップグレードするには、[Windowsの設定]アプリの[更新とセキュリティ]−[Windows Update]画面で「Windows 11へのアップグレードの準備ができました」と表示されるのを待つ必要がある。この画面が表示されたら、[ダウンロードしてインストール]ボタンをクリックする。ボタンをクリックすると、[ソフトウェアライセンス条項]ダイアログが表示されるので、内容を確認して[同意してインストール]ボタンをクリックすればよい。Windows 11のダウンロードとインストールが開始される。インストール完了後、再起動するとWindows 11になっているはずだ。
Windows Updateによるアップグレードでは、アプリや個人用ファイル、Windows OSの設定が引き継がれるため、Windows 11独自の設定を除き、改めてWindows 11の設定を行う必要はない。
なお、Windows 11へのアップグレードは、自動的に開始されることがないので、必ず[Windows Update]画面を開き、[ダウンロードしてインストール]ボタンをクリックする必要がある。
Windows 11へのアップグレードを希望しているのであれば、小まめに[Windows Update]画面を開き、「Windows 11へのアップグレードの準備ができました」と表示されていないかどうかを確認するとよい。
前述の通り、Windows UpdateによるWindows 11へのアップグレードは、段階的に行われるため、今すぐにWindows 11にしたい場合には対応できない。[Windowsの設定]アプリの[Windows Update]画面に「Windows 11へのアップグレードの準備ができました」と表示されない場合、[Windows Update]画面を開き、「Windows 11へのアップグレードの準備ができました」と表示されるまで待つ必要がある。
急いでWindows 11にしたい場合は、不具合の発生する可能性はあるが、手動でアップグレードすることもできる。それには、Microsoftが提供している「インストールアシスタント」を利用するのが手軽だ。
ただし、「インストールアシスタント」を使って、Windows 11へアップグレードするには、Windows 10 May 2020 Update(バージョン2004)以降である必要がある(Windows 10のバージョンを確認する方法は、Tech TIPS「【Windows 10対応】Windows OSのバージョン番号やビルド番号を確認する方法」を参照してほしい)。
またインストールに際して、ディスク容量に9GB以上の空きが必要になるので、エクスプローラーで[PC]を開き、「ローカルディスク(C:)」に十分な空き容量があることを確認するのも忘れないようにする。
これらの準備ができたら、「インストールアシスタント」をダウンロードする。Webブラウザで「Windows 11をダウンロードする」ページを開き、「Windows 11インストールアシスタント」欄の[今すぐダウンロード]ボタンをクリックする(「インストールアシスタント」を使ったアップグレード方法の詳細は、Tech TIPS「アシスタントで超簡単 Windows 10 → 11 アップグレードを試してみた」も参照のこと)。
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