ある企業が主催したオンラインセミナーに自宅からリモート登壇したときのことです。デモに使おうとしていた古いサーバが正常に起動しなくなるという、トラブルに遭遇しました。
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デモで使う予定だったサーバは、2021年の春ごろから電源回りの調子が悪く、電源を投入する際に少し工夫する必要がありました。
調子が悪いというのは、AC電源からの通電がある状態で電源をオフにすると、“カタカタ、カタカタ、カタカタ……”という異音を発するようになり、全面のLEDランプはオレンジに点滅して何か異常を訴え、電源ボタンを押しても電源が入らない状態になってしまったのです。
異音は、何か電源回りのチェックを行っているのにそのチェックをパスしないといった感じのものです。最初、マザーボードのバッテリー(ボタン電池)の消耗を疑い、交換してみましたが、問題は全く解消しません。
サーバの内部や外装をあれこれ調べていると、電源付近に何やらリセットスイッチのような“ポッチ”を発見しました(写真1)。試行錯誤を繰り返し、このポッチを長押ししながら、電源ボタンをオンにすると、電源が入ることを発見し、その後、数カ月はこの方法で起動していました。電源をオンにできれば、後は再びシャットダウンしてオフにするまで、問題なく動作します。通電時の異音対策としては、オン/オフスイッチ付きの電源タップを挟むことで良しとしました。
振り返ってみるとこのサーバは、2009年に「Windows Server 2008 R2」の評価のために購入した、12年も経過した古い、古いマシンです。電源をオンにすると、ファンが高速回転し、10秒ほどけたたましい大きな音を発した後、静かになって、メモリチェック、プロセッサチェック、デバイスチェックへと進み、OSが起動します。
筆者が発見した電源オンの回避策は、数カ月間問題なく使えていましたが、最近はたまに失敗し、ポッチ長押しと電源ボタンオンを数回繰り返さなければ起動しないこともありました。マザーボードではない何か(恐らくベースボード管理コントローラー《BMC》)に十分な電力がたまらないと起動しないような感じです。
そして、オンラインセミナー開始の数時間前、デモ環境を立ち上げようとして、事件が起きました。すっかり慣れた電源投入操作を何度繰り返しても起動してくれません。最終的には、ディスプレイに「BMC Communication Failure」が表示されて、どうにもならなくなってしまいました(写真2)。
急いでネットを調べると、マザーボードのジャンパースイッチを使って、BIOS設定をクリアすれば何とかなりそうなことが分かったので、そうしました。BIOS設定をクリアすると、当然、再設定が必要になります。慌てていたのでそこまで考えずに、ジャンパースイッチを切り替え、電源をオンにした後、BIOS設定がクリアされてしまったことにしばらくぼうぜんとしてしまいました。
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