Dockerは「Docker Desktop」の最新バージョン4.22の公開にあわせて、パフォーマンスがどう改善されてきたのか解説した。
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Dockerは2023年8月17日(米国時間、以下同)、8月9日にDocker Desktopの最新バージョンである4.22が公開されたことを踏まえ、アップデートによりどのようなパフォーマンス改善につながったのかを解説した。
Dockerは、最近のアップデートにより、以下のような合理化、軽量化、高速化を実現したとしている。
Docker Desktop 4.19では、コンテナがインターネットにアクセスするためのネットワークスタックが大幅に強化された。
第1世代のM1 Mac Miniでiperf3を使用したベンチマークテストでは、従来のネットワークスタックでは約3.5Gbit/秒だったのに対し、同環境で19Gbit/秒という速度を達成したという。この最適化により、パッケージのダウンロードやインストールを伴うDockerビルド時間の短縮とコンテナ操作の円滑化につながると、Dockerは述べている。
Docker Desktop 4.21では、メモリ使用量を改善して約4GBから約2GBに削減し、CPU使用率を自動的に削減する「Resource Saver」という機能の初期バージョンも追加された。
Docker Desktopがコンテナを実行していない状態を検出すると、自動的にCPU消費を削減する。これにより開発者は、バッテリー寿命を損なったり、ラップトップのファンに対処したりすることなく、バックグラウンドでアプリケーションを実行し続けることができる。
Docker Desktop 4.22のリリースに伴い、Resource Saver機能は強化され、Mac、Windows、Linuxで自動ローメモリモードをサポートした。Docker Desktopがコンテナを実行していない場合、CPUやメモリ使用率を自動的に10分の1に削減している。
macOS 12.5以上のDocker Desktopでは、ホストシステムと仮想マシン(VM)間でファイルシステムを共有するVirtioFS(Virtio File System)を採用した。docker run -vコマンドでコンテナとファイルを共有する際のパフォーマンスが向上しているという。Dockerによると、ホストシステムでredisのクリーンビルドに必要な時間が半分以下に短縮され、ビルドが60%以上高速化したという。
これらのアップデートにより、シームレスでパフォーマンスの高い開発体験が得られると、Dockerは述べている。
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