重大な問題が起こると、その原因を追究したくなるかもしれません。しかし、最も大切なのは「問題を解決すること」ではないでしょうか。
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震災、航空機事故など、2024年の始まりはショッキングな出来事が立て続けに起きました。まず、被災された皆さまに心よりお見舞い申し上げます。知人も奥能登で被災しましたし、ボクの住まいである新潟もかなり揺れました。被災地の1日も早い復興と、穏やかな日常が戻ることを願ってやみません。
また、メディアから流れてくる情報に、胸を痛めている方もいらっしゃるでしょう。そんな方々のために、2011年の東日本大震災のときに『自分のこころを大切にしよう――震災時のメンタルケア』という記事を寄稿しました。胸を痛めている段階で全ての方が被災者です。まずは、ご自身を大切になさってください。
今回のような大きな災害や事故は非日常かもしれません。一方、仕事をしていれば、大なり小なりさまざまなトラブルが起きます。特にこの記事の読者であるシステム開発やモノづくりの現場に携わっているエンジニアの皆さんであれば、トラブルと対峙(たいじ)する場面はよくあるでしょう。
何かしらのトラブルが起こったとき、できれば建設的に問題を解決していきたいもの。そこで今回は、「トラブルが起こったときのコミュニケーション」を考えます。
今回の災害や事故を報じるメディアの情報を見ていると、「何でこんなことが起こってしまったんだ」「どこに問題があったんだ」「事前にもっとできることがあったんじゃないか」といった、問題の原因を追究しようとする論調が多く繰り広げられています。
もちろん、同じトラブルを二度と起こさないために、原因追究はとても重要です。真の原因が分かるからこそ、適切な対応ができるからです。
一方で、「なぜ?」「どうして?」といったコミュニケーションは、当事者からすると、何となく責め立てられている感じがします。また、どんなに理想的で正しいことでも、「そうはいっても……」という状況もあります。理詰めで問い詰められたら萎縮してしまい、ネガティブな気持ちにもなりがちです。
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