筆者が以前から提案している「5Gオフィス」。オフィス内で自前の有線LANや無線LANを構築、運用せず、キャリアの費用負担で5G/4G無線設備を設置し、PCやスマートフォンは常時5Gでネットワークに接続するという方式だ。5年間パケット使い放題のPCが登場し、5Gオフィスがさらに実現しやすくなった。
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5Gオフィスの目的は、企業ネットワークのTCO(Total Cost of Ownership:ICTシステム導入時の設備投資、維持管理にかかる費用の総額)削減と利便性向上にある。
全てのPCを常時5Gまたは4Gでネットワークに接続すれば自社でネットワーク設備を持つ必要がなく、高価な帯域保証型の固定回線を使う必要もない。5G/4Gが使える場所ならば、オフィス、自宅など場所を選ばず仕事ができる。不安定なWi-Fiの運用に悩まされることもない。
筆者の経験では、企業がイントラネットの運用にかけている費用は、社員1人当たり1万円/月を超えていることもある。常時モバイル利用にしてその利用料が安価ならば、大幅なコスト削減が期待できる。PCのパケット使用量が多いと5Gの料金が高くなり5Gオフィスの採算性が悪くなるが、「5年間パケット使い放題のPC」の登場でその心配はなくなった。
本論に入る前に「仕事で使うPCは、1カ月にどのぐらいデータ通信をするのか」を知っておきたい。インターネットを検索しても適当なデータが見つからなかったため、筆者が主宰する情報化研究会(会員数約150人)のメンバーに調査を依頼したところ、20人が回答してくれた。
Windows PCで月間データ量を調べるのは簡単だ。「設定」→「ネットワークとインターネット」→「状態」で過去30日のデータ転送量が表示される。さらに「データ使用状況」をクリックすると、データ量の多い順にアプリケーションごとの転送量が表示される。
図1が、その調査結果だ。
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