息子がプログラミング会社の社員になりました。
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「PCに詳しい保護者の方、いませんか?」
小学2年生(当時)の息子の学校公開(昔でいうところの授業参観)の冒頭、担任がパニックになっていました。PCがフリーズしていたのです。
その日の授業は、「自分の小さなころのことを親から取材して、子どもたちが前に出て発表する」というプログラム。先生のPCには、子どもたちから預かった小さなころの写真が収まっていました。発表する子は前に立ち、小さなころの写真をスクリーンに投影しながらプレゼンする、という流れのはず、だったのですが……。
ITを学校教育に生かす動きが活発化していますが、マシントラブルなどの予期せぬ問題が起きることも。同じ公立小学校でも、マシンのスペックや授業のIT化の度合いに、学校ごと、地域ごとに格差があります。
冒頭のシーンに戻ります。
フリーズしたPCを前に焦りが募る先生。「これ、再起動していいのかな? データ消えちゃったりしないかな? 保護者の方、PCに詳しい人いませんか?」。
教室の後ろに立つ保護者から、手は挙がりません。私は「たぶん再起動するしかないよね」と思ったのですが、データが消えないと言い切ることができず、PCに詳しいかと聞かれると自信はない……と思って名乗り出ることができませんでした。
あたふたしているうちに、たまたま通りかかった副校長(最近は「教頭」ではなく「副校長」というようです)が思い切ってPCを再起動して事なきを得ました。データも消えていませんでした。よかった。
息子によると、担任のPCがフリーズすることは珍しいらしく、そこそこのスペックがあるのかもしれません。一方で子どもたちに1台ずつ配られているタブレットPCは、明らかに低スペックです。
日本メーカー製ですが、メモリは4GBで、起動にも操作にも時間がかかるし、バッテリーの持ちは悪い。しかも重い。Type-CのUSB端子が1つあるのですが、USB Power Deliveryに対応していないようで、USB充電できず、専用のACアダプターが必要です。
親としては「もう少しいい端末を配ってやってもらえないものか」と思います。
配られる端末の種類は自治体によって異なり、「Microsoft Surface」シリーズや「iPad」を配っている自治体もあるようです。また、IT化の度合いも、地域や学校ごとにかなり格差があると実感しています。
息子の小学校はコロナ禍中も一度もオンライン授業がありませんでしたが、隣の区のある小学校では、コロナ禍後も毎日、全ての授業をオンラインでリアルタイム配信しているそうです。同じ公教育なのにだいぶ差があるなあ……と、親として残念にも思います。
とはいえ、息子は学校の“ロースペ”端末も楽しんで使っているようです。
プログラミングが好きな息子は、学校のタブレットにインストールされているプログラミングツール「Scratch」を使ってゲームを作って、友達から喜ばれているようです。
TikTok:息子が作成した「ま」が「み」で「も」をやっつけるゲーム
彼のクラスは「会社」という名前で係活動をしており、息子は「プログラミング会社」の社員に選ばれました。プログラムができない社長に代わって、社長のアイデアをScratchでコーディングし、ゲームの形にするのが仕事です。
この会社は設立されたばかりで、ゲームはまだリリースしていません。息子によると「社長から作ってほしいゲームのイメージは聞いたが、よく分からなかったので今は有休を取っている」そう。社長にいわれるがままに頑張る“社畜”ではなく、ちゃんと自分のペースで仕事ができる“自律した社員”であることを少し誇りに思いました。
学校のPCのスペックは上がってほしいとは思うけれど、ものがあふれている時代の子どもたちは、今あるものでなんとか作る工夫して……例えば、できるだけシンプルなコードでゲームを作ってみる、という経験をしてみるのもいいのかも? なんてことを思いました。
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