脆弱性に対しセキュリティ強化を一気に進めると「認証拒否」が発生し、結果、情報システムの利用不可といった障害につながる場合があります。そのため、セキュリティ強化を複数のフェーズに分けて、段階的に進めることが重要になります。本稿では、複数のフェーズを持つActive Directoryの脆弱性対策を紹介します。
この記事は会員限定です。会員登録(無料)すると全てご覧いただけます。
Microsoftの「Active Directory」に関して、複数のフェーズを持つ脆弱(ぜいじゃく)性対策(もしくは更新プログラムの適用)は大きく分けて3種類に分類できます。
本稿では日本マイクロソフトの公式ブログ「Microsoft Japan Windows Technology Support Blog」を出典元として、特に認証に影響があり、かつ複数の適用フェーズを持つ更新プログラムの有無を確認してまとめました。また、個々のKB(Knowledge Base)番号や脆弱性番号も出典元にリンクしてあります。
なお、上記の公式ブログでは、脆弱性が複数のKB番号の場合と、単一のKB番号に集約できる場合の説明パターンがあります。そのため、本稿では、脆弱性番号とKB番号を織り交ぜて表記することになり、分かりにくい部分が出てくることがあることをご了承ください。
KerberosのPACフィールドに影響する脆弱性は、Kerberos認証で使われる「Ticket Granting Ticket」(TGT)や「サービスチケット」に含まれる「PACフィールド」を悪用するものです。
Kerberosのチケットはおおよそ7日間使えることから、このような複数フェーズの対策を採っていると考えられます。
この種類の脆弱性は、3種類あります。新しい順に紹介します。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.