世界は「貸し借り」で回るから、貸して、貸して、貸しまくれ――未来が予測できない現代において、己の地位と権力とHPと幸福度を爆上げするためにエンジニアがすべきことを、IT業界30数年の「かねくに」が暑苦しく伝授する本連載。今回は「ゼネラリストのあるべき姿」を解説します。
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SIerのSEと営業、複数のネット金融をへて某ネット金融機関のCIOとなったIT業界30数年「かねくに」が、エンジニアを採用したり評価したり、一緒に泣いたり笑ったり見守ったりしてきた思いを詰め込んで実践的なアドバイスをお贈りする「エンジニアのHP(Hit Point)爆上げ戦略」。前回は「スペシャリストとは何か」を解き明かしました。
今回は、「ゼネラリスト」(マネジャーにあらず)について、IT業界30数年の「かねくに」が暑苦しく解説します。本稿を読んで、ゼネラリスト中のゼネラリスト、「ゼネラリスト・ネオ」を目指しましょう。
最初にゼネラリストとは何かを考えましょう。
前回までの記事で「ゼネラリストはスペシャリストの対義であること」「悪いところの対処法として『悪いところをなくす』を選んだ人が向いていること」などをお伝えしました。でも、まだイメージが湧きませんね。
では、Microsoft Copilotに聞いてみましょう。「ゼネラリストとは、広範な知識やスキルを持っている人のことを指します。専門的な分野に特化せず、さまざまな分野で一定の理解と能力を持つ人です」とご回答いただきました。
ゼネラリストのイメージは、「広く深く」のようです。
また、スペシャリストではない人全てがゼネラリストというわけではありません。ゼネラリストはスペシャリストより、ある意味厳しい鍛錬が求められます。何も意識せず日々の仕事に従事している人は、「モブキャラ」や「NPC(non player character)」です。積極性や改善への自主的の取り組み、自分事として仕事に取り組む姿勢がなければ、ネームドキャラにはなれないのです。
ゼネラリストになるべく広範な知識やスキルを持つためには必要なのは、「いろいろなことに興味を持つ」ことです。自分のやっている範囲でしか仕事に向き合わないようでは、自分の可能性を狭めてしまいます。
システム開発プロジェクトは、要件定義、設計、開発、インフラ構築、運用……など、多くの工程から成り立っています。また、1つのサービスや製品が生まれるためには、ビジネス戦略、お客さまの声、世の中のトレンド、法令など、多くの要素が考慮されます。
そんなさまざまな要素から成り立っている「仕事」を与えられた範囲だけで考えているようでは、せっかくの成長のきっかけを見逃してしまいます。
自分に与えられた範囲を超えた部分にも興味を持って取り組めば、自然といろいろなことが身に付いてきます。そういう取り組みがゼネラリストのスタートラインです。
広範な知識やスキルは、座学だけでは身に付きませんし、実践への応用が利きません。全ての物事に興味を持って、ゼネラリストへの道を歩みましょう。
いろいろなことに興味を持って取り組んでゼネラリストへの道の第一歩を踏み出しても、次に大きな壁が来ます。
それぞれの分野にはプロがいて、門外漢のあなたは意見を言うことすら難しいことがあるでしょう。せっかく話すチャンスをもらえても、全く的外れで完膚なきまでたたきのめされるかもしれません。
ただ、人は失敗するものです。
失敗した際の取り組み方を間違えなければ、人は成長します。よく言われるように、「失敗はチャンス」です。どんどんチャレンジして失敗し、失敗を次に生かすためにしっかり考えましょう。その結果、新たな分野の知識が身に付いてくるのです。
意図しない異動や配置換えをさせられて、興味がない分野や苦手な分野の仕事をせざるを得ない状況になったときも同様です。新たな知識を得る機会だと思って、チャレンジ精神を持ってポジティブに取り組んでください。その分野だけの人より幅広い知識を持って取り組めるのですから、アドバンテージを得るチャンスになるかもしれません。
チャレンジ精神は、きっとあなたの成長のブースターになってくれると思います。
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