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@IT > [2004年10月近況レポート] IPA未踏プロジェクト 開発者アンケート |
企画:アットマーク・アイティ
営業企画局 制作:アットマーク・アイティ 編集局 掲載内容有効期限:2005年10月31日 |
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IPAの「未踏ソフトウェア創造事業」に採択された開発者らはどのような考えで開発プロジェクトを進めているのか。開発の心得やほかに興味あるプロジェクト、開発環境などを各プロジェクトの開発者にアンケートで聞いた
[奥氏の回答] 奥氏 ユーザーインターフェイスとソースコードの両面で、単純で一貫したソフトウェアを作るべく努力しています。どちらもなかなか難しいですが……。 ――未踏ソフトウェア事業で採択されたプロジェクトで、ご自身のプロジェクト以外で興味のあるプロジェクトは? 奥氏 風博士に興味を持っています。バックエンドやフレームワークなど、既存技術でできることの効率化を目的としたプロジェクトが多い中で、ユーザーインターフェイスに焦点を絞っており、目の見える「変化」をエンドユーザーにもたらす開発内容だからです。 ――ソフトウェア開発をしていて、醍醐味を感じるとき、逆に辛いときはどのような時ですか? 奥氏 ソフトウェア開発の魅力は、さまざまな問題に対し解決策を提供できる応用範囲の広さにあると感じています。逆に、ソフトウェア的には可能なことがハードウェアやOSの制限で実現できず、もどかしい思いをすることがよくあります。 ――あなたの開発環境は?(言語、統合開発環境ツールなど) 奥氏 本プロジェクトの開発に当たっては、特に統合開発環境は使っていません。開発言語はCおよびPerlです。 [北條氏の回答] 北條氏 小さなシステムや単純な要求仕様のソフトウエア開発には不要かも知れませんが、複雑で大きなソフトウエア開発を行う際には、すぐにコーディングを始めるのではなく、ある程度、全体の設計を行ってから作り始めること。また、全体の設計は必ず各アプリケーションやモジュール、クラスなどの関係を矢印で結んだ図にして考えることを心がけています。 そのほか、案外難しいのですが、複数の人数で開発を行う際には自分の担当するモジュールでバグを出さないこと。小さなバグ1つでチーム全体のコストの損失になったり、開発期間が長くなってしまったりするからです。 ――未踏ソフトウェア事業で採択されたプロジェクトで、ご自身のプロジェクト以外で興味のあるプロジェクトは? 北條氏 酒井プロジェクトマネージャの採択基準として短期間で実用化が期待できるプロジェクトを選ばれたようですが、未踏ソフトウェア事業としては長い時間をかけて実用化できる最初の一歩のようなテーマのプロジェクトの存在も重要です。そういったプロジェクトに今後注目していきたいと思っています。 ――ソフトウェア開発をしていて、醍醐味を感じるとき、逆に辛いときはどのような時ですか? 北條氏 やはり動いた瞬間ですね。開発しているものが複雑で高度であればあるほど最初に動いた瞬間の喜びは大きくなります。研究開発寄りの長期にわたる開発を行っていたとき、最終段階で全てのアプリケーションやハードウエアを結合して動作した瞬間、仕事を早々に切り上げてプロジェクトメンバで宴会を始めた事があります。その時の爽快感、してやったり! という気持ちは今でも忘れられません。船頭ばかりで実は開発者がほとんどいないようなプロジェクトは辛いですね。そういった開発案件は完成しても誰にも使われなかったりします。 ――あなたの開発環境は?(言語、統合開発環境ツールなど) 北條氏 開発案件によって様々ですが、統合開発環境ツールは使用しておりません。そのうち今開発中の統合開発環境を使って他の開発を行うようになるでしょう。 ――ソフトウェア開発を行ううえで心得ていることはありますか? 大崎氏 なるべく汎用的に使えるモジュールを積み上げて作るようにしています。ワンメイクなものでも、汎用的な部分とそのソフトでしか使えないような専用部分とに分けて作るようにしています。そうすることで後で修正し易くしています。毎回そういった汎用部品を作っていると工数が余計にかかってしまうのですが、デバッグ時や仕様変更のときには利いてきます。こういった考え方がフレームワークの開発にも生きているのだと思います。 ――未踏ソフトウェア事業で採択されたプロジェクトで、ご自身のプロジェクト以外で興味のあるプロジェクトは? 大崎氏 昨年のプロジェクトですが、今後に期待しているのは「ソフトウェアの黙示的生成と明示的編集のための環境の開発」、「インターネットライブ放送における放送・視聴・コミュニケーション統合システムの開発」。2件とも同じプロジェクトマネージャからの採択で開発者の方々とは今でも交流があります。あと、「Relaxerサービスフレームワーク」。Relaxerは未踏に採択される前から使っていて、このプロジェクトの採択を知って自分でも応募してみようと思いました。 ――ソフトウェア開発をしていて、醍醐味を感じるとき、逆に辛いときはどのような時ですか? 大崎氏 月並みですが、やはりソフトが完成したときでしょうか。自分の頭の中にしかなかったものが、自分の考えどおりに動作して目の前で見られるときです。辛いときは、とにかく時間が足りないとき。それは納期であったり、自分が作りたいときに他のことで作れないときとかです。 ――あなたの開発環境は?(言語、統合開発環境ツールなど) 大崎氏 Java言語でEclipse上で開発しています。これまで、統合開発環境はあまり使わなかったのですが、Eclipseのプラグインを作るということでEclipseで開発することにしました。使ってみると非常にいいですね。ビジュアル開発環境がもう少し充実していればさらにいいと思います。 [池添氏の回答] 池添氏 開発と呼べるものなのかは分かりませんが、ユーザーとのコミュニケーションを大事にしたいというのはあります。ただ、実際のところあまりうまくいってないんじゃないかと思ってます。フレンドリーな雰囲気を醸し出してるつもりなんですけど、きっとそうでもないんでしょう。 ――未踏ソフトウェア事業で採択されたプロジェクトで、ご自身のプロジェクト以外で興味のあるプロジェクトは? 池添氏 高林哲さんの「世界規模ソースコード検索エンジンの開発」。 ――ソフトウェア開発をしていて、醍醐味を感じるとき、逆に辛いときはどのような時ですか? 池添氏 醍醐味を感じたことは特にはないです。辛いのは使用してるライブラリがバグってたとき。あと、頭の中に非常にめんどくさいコードしか浮かばなかったときに、このコードを書くのか、と思うとゲンナリします。 ――あなたの開発環境は?(言語、統合開発環境ツールなど) 池添氏 C言語。統合開発環境は使ってません。vimというエディタでしこしこソースを書いてます。一度、Eclipseを使ってみたのですが、重かったこととたまに落ちることがあったので使うのをやめました。 [福澤氏の回答] 福澤氏 僕自身は、ソフトウェアの開発そのもの(ソースコードをいじるレベル)に係わったことはありません。その周辺のドキュメントなどを書いています。その点でいうと、ドキュメントを書く際には、平易な表現と、網羅性をある程度は考えています。 ――未踏ソフトウェア事業で採択されたプロジェクトで、ご自身のプロジェクト以外で興味のあるプロジェクトは? 福澤氏 徳井直生さんという方に興味があります。彼は、以前未踏ユースで「Sonasphere」というアート系プログラムを開発されていた方で、これが、非常に面白いです。今回は、テキストエディタ(「読む」「書く」「考える」をシームレスに支援するダイナミックなテキストエディタの開発)ということで、また違ったものを開発されることを期待しています。 ――ソフトウェア開発をしていて、醍醐味を感じるとき、逆に辛いときはどのような時ですか? 福澤氏 醍醐味:自分の書いたドキュメントに言及されるとき ――あなたの開発環境は?(言語、統合開発環境ツールなど) 福澤氏 普段は、(g)vimでドキュメントを書いています。今は、XMLでドキュメントを書いています。これの補助にkxmleditorというXMLエディタを使っていますが、貧弱なので、困っています。XMLの中でもdocbookという仕様に基づいていますので、この仕様書を時々読みながら書いています。 |
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