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@IT > [2005年3月近況レポート] IPA未踏プロジェクト 開発者アンケート |
企画:アットマーク・アイティ
営業企画局 制作:アットマーク・アイティ 編集局 掲載内容有効期限:2005年10月31日 |
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IPAの「未踏ソフトウェア創造事業」2004年度第1回採択の3プロジェクトが2月末で開発期間を終えた。開発は予定通りに終了したのか、そしてIPA未踏プロジェクトから得たものは? 開発者らにアンケートを実施した
――開発は当初の予定通りに終了しましたか? はい。 ――開発に対する自己評価は? 本プロジェクトの開発項目は、3つに分類できます。
開発期間を通して作業は順調に推移し、これら3機能を実装することができました。また、動作環境の差異/今後の拡張性/負荷、といった問題にも、必要な対処はできている、と考えております。 ――開発したソフトウェアの今後の公開方針は? また、そのソフトウェアの開発は何らかの形で継続しますか。 近日中に、 Apache Licenseの下に公開を予定しております。公開サイトは未確定ですが、Webサイトでアナウンスさせていただくことを予定しております。今後の開発については、オープンソース的な開発手段に移行していく中で、編集機能の向上といった機能拡張を中心に貢献していければと考えております。 ――IPA未踏プロジェクトに対してコメント、また今後、未踏プロジェクトに応募する開発者へのメッセージをお願いします。 新しいソフトウェアのアイデアを思いついたとしても、そのソフトウェアが商業ベースで成り立つとは限りません。ソフトウェア開発で糧を得ている者にとっては、対価を得ることができなければ、まとまった時間を割くことはできません。 そのようなアイデアを追求する機会を提供してくれたIPA未踏プロジェクトと酒井PMには、とても感謝しています。また、実際に開発を行う段階においても、広い枠の中で、のびのびと開発に専念することができました。
――開発は当初の予定通りに終了しましたか? 開発はおおむね予定通りにできましたが、ドキュメントができませんでした。開発は今後もオープンソースプロジェクトとして継続するので、順次ドキュメントを公開していきたいと考えています。 ――開発に対する自己評価は? 正直にいって悪いです。もともと、目標にしていたのは多くのユーザーに利用してもらうことでした。そのために、機能を追加したら順次公開していこうと考えていたのですが、思いのほか変更が広範囲に渡ってしまったことと、内部的に抜本的な修正をしてしまったため、インクリメンタルに機能を追加していくということができなくなってしまいました。 そのため、当初考えていたようなスケジュールで公開することができなくなってしまいました。今後は開発したソフトウェアをなるべく早く公開して、ドキュメントを整備しユーザーに受け入れられるように努力していきたいと考えています。 ――開発したソフトウェアの今後の公開方針は? また、そのソフトウェアの開発は何らかの形で継続しますか。 昨年からオープンソースプロジェクトとして公開しており、今後も継続して開発を続けていきたいと思います。今後、しばらくは安定化の方向に開発を進めて行きたいと考えています。 ――IPA未踏プロジェクトに対してコメント、また今後、未踏プロジェクトに応募する開発者へのメッセージをお願いします。 未踏プロジェクトは個人の開発者に対して支援する数少ない支援事業です。これは、開発者個人としては大きなチャンスになると思います。個人的にこんなことにチャレンジしてみたいという人はぜひともチャレンジしてください。 ――開発は当初の予定通りに終了しましたか? ほぼ予定通り終了しました。1点だけ当初予定していた機能を実装しなかったのですが、これは、全く同じ機能がGoogleによってInternet Explorer用Googleツールバーの機能として発表されたものの話題にならなかったため、ユーザーが必要としている機能ではないと判断し、実装を取り止めました。 ――開発に対する自己評価は? 自己評価は100点。理由は、自分以外の人で100点をつけてくれる人はいないだろうからです(笑)。「よく頑張った」と自分に言ってやりたいです(笑)。 ――開発したソフトウェアの今後の公開方針は? また、そのソフトウェアの開発は何らかの形で継続しますか。 すでにGPL-2ライセンスのもとに公開されているので、誰でも使用できますし、誰でも開発に参加できるようになっています。また、GPL-2のライセンスに従う限り、風博士を基に好きなブラウザを作ることが可能です。 今後もユーザーからの要望や新たなアイデアなどを取り込みながら開発を続けていくつもりです。 ――IPA未踏プロジェクトに対してコメント、また今後、未踏プロジェクトに応募する開発者へのメッセージをお願いします。 個人または数名のグループを支援するという未踏プロジェクトは、個人が自分の余暇を使って開発をしているオープンソースソフトウェア(OSS)にとって大変ありがたいものであります。また、人材育成という観点からもOSS開発者を支援することはすばらしい取り組みです。そういう意味でもっと多くのOSS開発者が未踏プロジェクトに応募するようになるといいと思います。 ただし、ユーザーからのフィードバックを得ながら開発が進んでいくというOSSの柔軟さは、未踏プロジェクト採択時に予定していた機能と、実際に実装された機能との乖離を産む原因になる可能性があります。開発の柔軟さはOSSの良さのひとつなので、その良さを消さないよううまく開発を進めていく必要があります。このOSSの柔軟さをIPA側で受け止めていただけると、OSS開発者は未踏プロジェクトにより応募しやすくなるでしょう。 |