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@IT > [2005年5月レポート] IPA未踏「天才プログラマー/スーパークリエータ」が決定 |
企画:アットマーク・アイティ
営業企画局 制作:アットマーク・アイティ 編集局 掲載内容有効期限:2005年10月31日 |
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未踏ソフトウェア創造事業の開発者の中で特に優秀と認められた開発者が認定される「天才プログラマー/スーパークリエータ」に奥一穂氏ら15人が選ばれた。IPAの担当者が「今年はかなり関門が狭かった」と語るスーパークリエータ。奥氏の評価ポイントは?
情報処理推進機構(IPA)は5月10日、2004年上期の未踏ソフトウェア創造事業の採択者の中から特に優れた成績を収めた「天才プログラマー/スーパークリエータ」として、「ウェブアプリケーション (Apache/Perl) 統合開発環境の開発」をテーマにした奥一穂氏ら15人を認定した。5月18日にはIPAの展示イベント「IPAX 2005」で認定証授与式が開催された。 天才プログラマー/スーパークリエータは、IPAが「新規性(未踏性)」「開発能力」「将来の可能性」の3つについて評価し、そのいずれかの基本認定基準をクリアしている開発者が選ばれる。また、各プロジェクト・マネージャが独自に設定する認定基準も評価対象となる。2004年上期は328件の応募があり、39件が採択。15人が天才プログラマー/スーパークリエータに認定された。IPAのソフトウェア開発支援部長 巽俊一郎氏は「今年はかなりスーパークリエータへの関門が狭かった」と述べた。(認定されたスーパークリエータについては@ITNewsを参照)
プロジェクト・マネージャの酒井裕司氏は、奥氏の開発について「『発想力』『組織力』の点において、まず、過度に複雑にならないニーズのあるものを発見し、妥当なアーキテクチャーを当てはめる点、および、自らの組織をつくり、課題の解決に当たる点において該当する」と評価。
さらに「未踏プロジェクトの期間中に割り当てられたソースの限定性の中で、プロトタイプレベルではあるが、当初提案された機能仕様をさらに進化させた形で実現し得ている点においてスーパークリエーターにふさわしい力量を持っているといえる」とした。 また、酒井氏は「自分自身が設計した機能を、すでに利用可能な既存技術との中で位置づけを適切に行い、今後の方向性を含めて見極めている点で今後、世界的に通用するにたる人材であると考える」とコメントし、高い評価を示した。 奥氏と共同開発者の北條裕明氏が開発したソフトウェアは「Rapide」(Remote Apache IDE)の名称。ApacheのWebサーバ上で動作するCGIの統合開発環境で、「CGIの編集、対話的デバッグ、バージョン管理などの機能を利用することでWebアプリケーションの開発からメンテナンスにいたるライフサイクル全体の効率が向上する」(奥氏)。Rapideはオープンソースウェアで、Webサイトで公開する計画だという。
5月18日に開催された認定証授与式では、IPAの理事長 藤原武平太氏が「過去のスーパークリエータの中には会社を設立したり、フリーで活躍している人が多数いる」としたうえで、「IPAは未踏ソフトウェア創造事業の成果が実際に社会に役立っていけるよう支援を強化したい」と述べ、バックアップを約束した。 また、経済産業省の商務情報政策局 情報処理振興課 課長 小林利典氏は「ソフトウェア開発は個人の論理構造がダイレクトに反映される。個々人のレベルの高い能力をいかに表に出すかがポイント」と指摘。そのうえで「頭のとんがった人が個人の名前でどんどん出て行くことが日本のソフトウェア産業の発展に重要」と述べて、スーパークリエータへの期待を示した。 |