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@IT > オープンソースによる開発実験プロジェクト > 酒井PMインタビュー[第2回] |
企画:アットマーク・アイティ
営業企画局 制作:アットマーク・アイティ 編集局 掲載内容有効期限:2005年9月30日 |
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すぐれた開発能力と卓越した独創性を持つスーパークリエイターの発掘と支援を目指し、独立行政法人・情報処理推進機構(IPA)が2000年から続けている未踏ソフトウェア創造事業。プロジェクトの審査は合議制ではなく、12人のプロジェクト・マネージャ(PM)が個々に審査、採択を行い、その後の開発における進ちょく管理まで責任を負うというユニークな仕組みを取っている。 IT系ベンチャーキャピタルの草分け的存在として知られるイグナイト・ジャパンのジェネラル・パートナーである酒井裕司氏は、そのPMの1人。2004年度第1回の公募では3件のプロジェクトを採択した。そして第2回の公募でも3件のプロジェクトを採択。どのような考えでプロジェクトを採択し、開発者に何を望むのか。酒井PMに聞いた。 ――今年度第2回の公募では3件のプロジェクトを採択しました。 酒井PM 第1回の未消化予算と追加の予算があり、よい機会なのでできるだけ数多くのプロジェクトを採択したいと考えました。未踏プロジェクトのプロジェクト・マネージャを受ける前の仮説としては、ソフトウェア開発はお金が掛かるというものがありました。1000万円くらいでは無理で、はじめの予定は1プロジェクト当たり3000万円くらいかけて3人が1年がんばれば、すごいソフトウェアができると考えていました。
その根拠はMS-DOS、PC-DOSの黎明期にロータスの開発者3人が1年間閉じこもり「Lotus 1・2・3」を開発したことを目のあたりにしたことです。それだけフォーカスすれば抜きん出たソフトウェアが作れると思っていました。 しかし、ふたを開けてみると各プロジェクトの担当者はお金をかけずにすごいソフトウェアをつくろうとしていました。そのため当初の想定以上の件数のプロジェクトを採択することになりました。 ――第2回の採択ではどのようなプロジェクトを採択しようと思いましたか。 酒井PM 一定水準に達しないプロジェクトは採択しないというのは第1回と同じです。第1次のスクリーニング、第2次のスクリーニングを通過したプロジェクトは水準に達していると判断しました。 第2次のスクリーニングでは、そのプロジェクトがユーザーのことをどれだけ考えているか、つまりニーズをどれだけ考えているかを重視しました。ソフトウェア開発に関して独創性は基本的に重要です。しかし、あまりに独創的過ぎるとユーザーのニーズから外れてしまい、困ります。いま作りはじめて100年後にものになるとか、すごく独創的だけど、誰も利用できないソフトウェアでは困るわけです。 今回採択した3つのプロジェクトは、世の中に必要とされている技術でありながら、しかし、まだ明確には技術の“勝ち組”が定まっていない分野であると思います。 ――第1回の採択ではオープンソースの開発を前提としているプロジェクトが採択されました。第2回でも同じですか? 酒井PM 同じです。公募要領に書いたように進ちょくや成果物をオープンにし、コミュニティに積極的に情報発信を行うのが前提です。 ――これから開発を行う採択者、次回の未踏プロジェクトに応募しようと考えている人に対してのメッセージは。 酒井PM ちゃんと自分の値段を適切に申請し、集中して開発してくださいということですね。オープンソースが前提ですから成果物が出ないと世間のほかのエンジニアに分かってしまうということを考え、普段以上に余計に回して開発して欲しいと思います。 |
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