メールってどうやって送信されるの? 〜これで入門書が読める!超初心者のためのインターネットの仕組み〜インターネットのモヤモヤを解消する(10)(2/2 ページ)

» 2009年07月15日 00時00分 公開
[山本洋介山bogus.jp]
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不思議なメール

芽衣子 「でも、これタイトルがないじゃない。どういうこと??」

 芽衣子さんは送られてきたメールを見ながら不思議に思います。

正男 「実はタイトルがなくてもメールって送れちゃうんですよ」

成沢 「あとメーラーに書かれている送信元とあて先もこっちが勝手に付けているだけだな。名前とか同じメールアドレスでもみんなバラバラだろ

正男 「実はDATAの後にFrom:とかTo:とかSubject:とか付けていると、それをメールソフトが勝手に解釈してくれるんですよ

芽衣子 「そうなんだ」

成沢 「From:に他人のメールアドレスを書けば、mail from:に書いたアドレスが上書きされるから簡単に他人になりすましたメールが出せるってわけだな

クライアントとSMPTサーバのやりとり クライアントとSMPTサーバのやりとり

 これはいいこと聞いたわ。口には出さないものの正男さんの何げない一言に芽衣子さんは内心わくわくです。

正男 「メールのソースコードを見て、From以降はだいたいメーラーが付け足しているデータですよ」

芽衣子 「分かったわ。ありがとう。私は作業があるからこのへんでいいかしら」

 メモを熱心に取りつつ。2人に早く立ち去れと暗に迫る芽衣子さんです。

芽衣子 「うはっ、匿名だと何送ってもいいわね」

2人が去ってから、自分のmacのターミナルを立ち上げて、鬼気迫る表情でターミナルから正男さんのメールアドレスに向けてメールを何度も何度も送信する芽衣子さんです。

 数時間してからうんざりした顔で正男さんと成沢さんがやって来ます。

正男 「もういい加減にしてくださいよ……」

芽衣子 「わ、わたしじゃないわ」

 慌ててマシンを手で隠す芽衣子さんですが、バレバレです。

成沢 「お前全部手動でやったのか。根性あるな。俺ならスクリプト書くけどな」

 成沢さんは妙に感動しています。

芽衣子 「じょ、冗談に決まっているじゃない。ちょっと練習したかっただけよ……」

正男 「IPアドレスも最初のメールアカウントも正直に書かれているから、これじゃ匿名でも何でもないですよ」

芽衣子 「成沢さん匿名になるっていったじゃない」

 なぜか逆ギレです。

正男 「見せ掛けだけなんですよ……」

正男 「それに、他人のメールアドレスを名乗りたいならメーラーの自分のメールアドレスを変えればいいじゃないですか」

芽衣子 「え、それでなんとかなっちゃうわけ??

 せっかくの時間を無駄な手作業に費やして頭を抱える芽衣子さんでした。

「メールってどうやって送信されるの?」をおさらいしよう

今回のおさらい

3人とも携帯メールは苦手だったりするので

キーボードの前にいる職業柄か携帯電話の普通の機能を使うのが苦手、というネットワークエンジニアは意外と多い気がします。

dirってなんですか?

「dir」はWindowsのコマンドプロンプトでそのディレクトリのファイル一覧を表示する命令です。基本ですね。ちなみにUNIX系OSでは「ls」になります。

「EHLOの後に送信するアドレスのドメイン名を入力するんだな」

昔はHELOを使っていましたが、最近はEHLO(Extended HELO)を使うルールになっています。

「あとメーラーに書かれている送信元とあて先もこっちが勝手に付けているだけだな。名前とか同じメールアドレスでもみんなバラバラだろ」

mail from:やrcpt to:にはTo: Yosuke Yamamoto のような指定はできません。

「実はDATAの後にFrom:とかTo:とかSubject:とか付けていると、それをメールソフトが勝手に解釈してくれるんですよ」

メーラーによってはFrom:が書かれていない場合、mail to:で指定されたメールアドレスがそのまま表示されることが多いようです。

「だからFrom:に他人のメールアドレスを書けば簡単に他人になりすましたメールが出せるってわけだな」

余談ですがFrom:やTo:で使われる文字コードは普通ISO-2022-JPという文字コードなので手動で入力するのはとても面倒です。

「え、それでなんとかなっちゃうわけ??」

セキュリティの甘いメールサーバだと送信できてしまいますが、基本的にこちらのIPアドレスは記録されていますので、匿名とはいえませんよ。


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