PanoramaでWindows Phoneならではの横スクロールSilverlightベースで作るWP7アプリ開発入門(3)(3/3 ページ)

» 2011年08月25日 00時00分 公開
[泉本優輝WP Arch]
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PanoramaをHubのようにデザインするには

 実際に、Panoramaを使ったアプリをHubのようにデザインしてみましょう。今回は冒頭で紹介したWP Toolkit August 2011も利用します。開発環境として、WPSDK 7.1 RCを利用しています。

 まずは、「Silverlight Toolkit - Download: Windows Phone Toolkit - August 2011 (7.1 SDK)」から「Silverlight for Windows Phone Toolkit - Aug 2011.msi」をダウンロードし、インストールします。

 次に、Expression Blend を立ち上げて[Windows Phone パノラマアプリケーション]を選択し、Windows Phone OS 7.1プロジェクトを作成します。

図14 プロジェクトの作成 図14 プロジェクトの作成

 [プロジェクト]パネルにある[参照]を右クリックし、[参照の追加]から「Microsoft.Phone.Controls.Toolkit.dll」を追加します。dllファイルは「C:\Program Files (x86)\Microsoft SDKs\Windows Phone\v7.1\Toolkit\Aug11\Bin」の中にあります。

図15 「Microsoft.Phone.Controls.Toolkit.dll」を追加 図15 「Microsoft.Phone.Controls.Toolkit.dll」を追加

 取りあえずビルドしてみましょう。Panoramaアプリが立ち上がるはずです。

図16 取りあえずビルドした結果 図16 取りあえずビルドした結果

 次に、2画面に渡るPanoramaItemを作成してみましょう。PanoramaItemを横に広げ、[Orientation]を「Horizontal」に設定します。

図17 PanoramaItemを横に広げ、[Orientation]を「Horizontal」に 図17 PanoramaItemを横に広げ、[Orientation]を「Horizontal」に

 すると、2ページに渡るPanoramaItemを作成できます。試しに中にはWrapPanelでまとめたHubTileを表示させました。実行すると、このように2画面に渡ってフリックして表示できる画面が出来上がります。このレイアウトは「People Hub」の「最近」に使われている表現と同等です。

図18 作成したPanoramaItem 図18 作成したPanoramaItem

 次のポイントとして、アプリの背景画像に着目しましょう。PanoramaやPivotは横へ横へと遷移しループします。デフォルトの背景画像ではなく、左右に継ぎ目のない画像を用意することで、違和感のない遷移が実現できます。

 例えば、コルクボードのテクスチャを背景にしてみました。まるで延々と続く1枚の板のように見えます。

図19 コルクボードのテクスチャを背景 図19 コルクボードのテクスチャを背景

 first itemは、このページを開いたときに最初に表示される画面領域です。ここには、一番お勧めしたいコンテンツやコンテンツの代表的なものを表示するといいでしょう。

 コルクボードらしく適当にピンを付けて画像を写真に変え、テキストも変更してみました。だいぶアプリケーションのトップページに見えると思います。

図20 first itemにピンを付けて画像を写真に変え、テキストも変更 図20 first itemにピンを付けて画像を写真に変え、テキストも変更

 後は、アルバムをクリックするとPivotで作成したアルバムごとの写真ページに遷移したり、お気に入りの画像には、直接その画像を表示するページに遷移すると、自分のオリジナル写真アプリになりますね。

図21 オリジナル写真アプリの完成 図21 オリジナル写真アプリの完成

日本向けMangoアプリをMarketplaceに公開しよう

 PanoramとPivotは一見すると似たようなコントロールですが、取り扱うコンテンツや見せ方、使うべきポイントが異なります。アプリの構成を考えながらPanoramaやPivotを利用することで、Windows Phone 7らしい階層表現が実現できます。同時に、WP Toolkitを利用することでWindows Phone 7の世界観に合ったUX(ユーザー・エクスペリエンス)を提供できます。

 また、開発環境やMarketplaceがMangoに対応し、実機も発売されました。これらのコントロールやSDKをうまく利用して、日本向けアプリをMarketplaceに公開しましょう!

著者紹介

Windows Phone Arch代表

泉本優輝

UIデザインからプログラミング、表現までやりたい、自称クリエイティブデザイナ

“さわってみたい”を創ることが目標。フィジカルコンピューティングなどの試作を行う傍ら、コミュニティ活動ではExpression Blendを中心としたセッションを行っている



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