サーバに接続できない、緊急で対応をお願いしなくちゃ! そんなときには英語でどういえばよいのでしょうか?
SATOKOはソフトウェア開発企業で働くITエンジニアです。海外の開発チームとの仕事に携わるようになって数週間、最初は苦手な英語に四苦八苦していましたが、英文メールでの進ちょく報告、対面での仕様書レビューを経て、だんだん異文化コミュニケーションにも慣れてきました。
SATOKOの担当プロジェクトは、いよいよ実装工程に入ります。まずは海外顧客から連携された仕様書と開発環境を確認しようと共有サーバをチェックしたところ……。
メンバー:「SATOKOさん、サーバに接続できません!」
SATOKOも試してみましたがサーバからの応答はありません。見事に落ちています。さて、こういうときはどうすればよいのでしょうか? 顧客は米国在住で、サーバも先方が準備したリソースを使用しています。日本にいるSATOKOにできるのは……。
部長:「先方に電話で確認してくれないか。復旧しないと作業にならない」
ただでさえ高い英語の壁をさらにたかーくするのが、電話での会話です。急を要する事態にSATOKOはうまく対応できるのでしょうか?
システム開発の現場でよく耳にするこの言葉。システムからの反応が無い(=何かの原因で止まった)ことを表します。またはシステムが突然、強制終了したときにも使われます。今回は「サーバが落ちた」場合です。社内外でファイル転送を行うために共有サーバを用いることがありますが、ときにサーバに接続できないという事態が発生するのです。
「サーバ」はどう表現するか、皆さんはもうお分かりでしょう。文字通り“Server”です。では「落ちる」は?
こんなときは、Jeremy先生を呼びましょう!「助けて、Jeremy先生!」
「先生、どうしよう。緊急事態に電話で英語なんて、私には無理ですっ」
「落ち着いて、SATOKO。伝えたいことは?」
「サーバが落ちています!!!!!」
「The server is down!!!!!」
「えええ? それはカタカナ英語じゃない?」
「カタカナ語のすべてが和製英語なわけではないですよ。コンピュータ関係は特に英語がそのまま日本語になった例が多いのです。インストール(install)、アップロード(upload)、マシン(machine)などなど」
イラスト:mami/ad-manga.com
では、実際にクライアントに電話をかけてみましょう。
アットマークシステム 東京開発部のSATOKOです。
サーバの件で問題があってお電話しました。
共用サーバが落ちていますので、至急ご確認いただけますか?
今日の午後までに復旧しなければ、スケジュールが遅れてしまいます。
Hello, I am SATOKO of atmark system Co., development team in Tokyo.
I am calling you to report a problem with your server.
Could you please check the server status as soon as possible because it is currently down?
We are afraid of being behind schedule if it isn’t recovered by this afternoon.
電話では「1 電話の目的」「2 依頼の内容」「3 依頼の理由」「4 依頼の期日」を明確に伝えることが大切です。「Can you / Could you check that〜(〜を確認していただけますか)」という表現はよく使います。「Please get back to me by〜〜(〜〜までに連絡を下さい)」と念押しするのも重要です。
システム開発にサーバは欠かせません。サーバにもいろいろな種類がありますよ
他にもメーラーで使用するPOP Server(POPサーバ)、DNS Server(DNSサーバ)など、英語とくっつけるだけで表現できてしまう単語が多いのも、IT業界のだいごみ(!?)です。
virtualization | 仮想化 |
---|---|
respond | 応答する |
connection timeout | タイムアウト |
server operation | サーバ運用 |
maintenance | 保守 |
Not responding | 応答なし |
---|---|
Unable to connect to the server | サーバに接続できない |
The specified server could not be found | 指定したサーバが見つからない |
世の中に「完璧」はごくわずか。毎日のように障害発生が叫ばれるIT業界で生き抜くには忍耐力も必要です。次回(11月27日掲載)もエラー関連の話題を取り上げ、忍耐強く解説をして参ります。
バイリンガル・コネクションズ
Jeremy Doccola(ジェレミー・ドッコラ)●英語インストラクター。ボストン近辺、ニューハンプシャー州出身。東京での講師歴3年。小・中学校での英会話講師を経て、現在はバイリンガル・コネクションズでビジネス英語を教える。
米国では5年間コンピュータ関連職(修理、セットアップ、Webデザインなど)の経験あり。ニューハンプシャー大学卒。専門はコミュニケーション/IT。
Nextremer
下岡聡子●Javaプログラマ、フリー翻訳者(英語・中国語)を経て、Nextremerにてインドでのグローバル受託開発システムのマネジメント、新規ビジネス企画担当。大学ではロシア語を専攻。
ITエンジニア向けの英語サービスも提供中。
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