開発の注意事項を、英語で標語にするITエンジニアのための業務でサクッと使える英語Tips(14)

「週に1回ソースレビューをする」「コミュニケーションを取り合う」「一定時間考えても分からない時は助けを求める」――現場の注意事項を英語で伝えてみよう。

» 2014年04月09日 18時00分 公開
ITエンジニアのための業務でサクッと使える英語Tips
キャラクター紹介 Jeremy & SATOKO

 SATOKOはシステム開発会社で働くエンジニア。英語が大の苦手なのに、昨年より海外クライアント案件を担当するようになりました。「これは仕様です」「サーバーが落ちました」「予期せぬエラーが発生しました」――数々の困難に英語で対応しているうちに、何だか日本語で話すときも堂々としてきたようですよ。

今回のフレーズ

◆ソースコードのバージョンを必ず確認してください:Please make sure the versions are correct.

 インドの開発者チームとの初回打ち合わせが終わり、米国クライアント向けの新しい開発プロジェクトが、来週いよいよスタートします。

 SATOKO「部長、そろそろ“アレ”の出番でしょうか」

 部長「ああ、そうだね。システム開発は、良いコードを書くのが全てではない。チームワークが大切だ」

 SATOKO「では、いってみましょうか!」

 そう言いながらSATOKOは1枚の紙を取り出しました。そう、これが“アレ”こと、「ソフトウェア開発の5カ条」です。SATOKOの会社では、新規プロジェクトを始めるときに、メンバー全員で「ソフトウェア開発の5カ条」を読み上げる習慣があるのです(今まではもちろん、全て日本語で読み上げていた)。

今回の表現

◆英語で注意事項を記す

 ずっと日本でのプロジェクトで提示してきた開発指針を、今回はそれを英語で伝えなければいけません。さあ、どうするSATOKO。いつものJeremy先生に聞いてみましょうか。


SATOKO

「先生、わが社の『ソフトウェア開発の5カ条』を英語に訳したいのですが、コツはありますか?」


Jeremy

「また、英語の悩みですね?」


SATOKO

「だって、こういうの初めてなんだもの」


Jeremy

「標語は、簡潔に分かりやすくが鉄則ですよ。ソフトウェア業界はカタカナ用語が多いので、英語に言い換えやすいですね」


SATOKO

「確かに! 『マージ』『ソース』『バージョン』もカタカナだわ」


Jeremy

「英語でも同じですよ。“Merge”“Source”“Version”です」


イラスト:mami/ad-manga.com

標語を英語に訳してみよう

 では早速「ソフトウェア開発の5カ条」を英語にしてみましょう。

ソフトウェア開発の5カ条

1.週1回のソースレビューを欠かさないこと。ソースコードはアドバイスを取り込んでより良くなる

2.考え、悩む時間を決めておくこと。一定時間が過ぎたら助けを求めよ

3.コミュニケーションを取り合うこと。開発はチームワークだということを忘れずに

4.マージの際は、ソースコードのバージョンを必ず確認すること。確認漏れが大きな手戻りを生む

5.時間の残量を意識すること。プロジェクトには納期がつきものだ


Software Development 5 Guidelines

1. Please be sure to review your source code at least once a week. It is best to improve your source code by getting advice.

2. Please prepare time to think over and discern your code. If you go over your allotted time, you will be able to organize help.

3. Please respond and communicate with your team effectively. Be aware that development takes a lot of teamwork.

4. Please make sure the versions are correct when you merge source files. Without making sure, you may have to do the work over again.

5. Please be aware of the time it takes for your remaining work. The project deadline is fixed.


 SATOKO「言葉が違っても、エンジニア同士は通じるものがありますね」

ソフトウェア業界で頻出するカタカナ用語


Jeremy

「上で述べたように、IT業界にはカタカナで日本語に落とし込まれている英単語が多いのです」


  • ローンチする=新しいサービスや機能などの提供を開始する
    We will be launching a new service with additional functions soon./弊社は各種機能を拡張した新サービスを、間もなくローンチします

  • インタラクティブ=(SNSサイトなどで)ユーザーが双方向でやりとりできること
    This social network site has interactive games and content that users can enjoy./このSNSサイトには、ユーザーが双方向で楽しめるゲームやコンテンツがある

  • トリッキー=意表を付いた、引っ掛けっぽい(開発者同士では、一見しただけでは分からないコードの落とし穴を見つけたときなどに「トリッキーだ」と言うらしい)
    It is often tricky to develop code together with other developers./他の開発者と組んでプログラミングすると、トリッキーな事態が起きがちだ

 カタカナ英語があふれる今日ですが、「本当は英語でどう言うの?」と突き詰めてみるのも面白いのかもしれませんね。

便利な単語
Allotted, fixed time 一定時間
To be aware of 意識する、忘れずに
To review code コードをレビューする
Additional functions 新しい機能

便利なフレーズ

To decide ahead of time 決めておく
When merging 〜 マージするときには
To check the source version ソースコードのバージョンを確認する

次回予告

 次回はエンジニアならおなじみの、データベースで使える英語表現をお届けします。ちなみにSATOKOちゃんはデータベースエキスパートを目指していたそうな(過去)。

筆者プロフィール

Jeremy Doccola

バイリンガル・コネクションズ

Jeremy Doccola(ジェレミー・ドッコラ)●英語インストラクター。ボストン近辺、ニューハンプシャー州出身。東京での講師歴3年。小・中学校での英会話講師を経て、現在はバイリンガル・コネクションズでビジネス英語を教える。

米国では5年間コンピューター関連職(修理、セットアップ、Webデザインなど)の経験あり。ニューハンプシャー大学卒。専門はコミュニケーション/IT。


下岡聡子

Nextremer

下岡聡子●Javaプログラマ、フリー翻訳者(英語・中国語)を経て、Nextremerにてインドでのグローバル受託開発システムのマネジメント、新規ビジネス企画担当。大学ではロシア語を専攻。

ITエンジニア向けの英語サービスも提供中。


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