Amazon Web Servicesは2014年7月1日、Amazon EC2の新たなインスタンス「T2」を発表した。これにより、大幅なコスト削減につながるという。
米Amazon Web Services(AWS)は2014年7月1日、「Amazon EC2」(Elastic Compute Cloud)の新しいインスタンスとなる「T2」を発表した。需要の増大に応じてCPU処理能力を割り当てるモデルを採用したことで、大幅なコスト削減につながると説明している。
T2インスタンスは東京を含むアジア太平洋リージョンでも利用可能。用意されるスペックは「micro」「small」「medium」の3サイズだ。例えば、t2.microインスタントのオンデマンド料金は、米東部リージョンの場合で1時間当たり0.013ドル(月額9.50ドル)から。AWS無料利用枠を使えば、Linux版とWindows版の2つのt2.microインスタンスが無料で利用できる。
T2インスタンスでは、CPU処理能力のベースライン値が保証されたうえで、より多くの処理能力が必要になった場合には自動的にスケールアップする。また、処理能力がベースライン値を下回っているときに「CPUクレジット」を蓄積しておけば、これをピーク時に振り替えて利用することができる。なお、CPUクレジットを蓄積できるのは最大で24時間までとなっている。
AWSによると、T2インスタンスは継続的に一定の処理能力が要求され、かつ一時的に需要が急増することのあるワークロードに適しているという。例えば、リモートデスクトップ、アプリケーション開発環境、低トラフィックのWebサイト、小規模のデータベースなどでの利用を想定し、始業時と終業時に処理が増大するビジネスプロセスや、突如アクセスが急増することのあるWebサイトなどを例として挙げている。
AWSでは併せて、東京を含むアジア太平洋リージョンで「Amazon Redshift」の3年リザーブドインスタンス料金を25%以上値下げした。日本では3年リザーブドのdw1.8xlインスタンスの料金が予約金3万ドル、1時間当たり1.326ドルへと28%値下げされた。従来の料金は予約金3万400ドル、1時間当たり2.288ドルとなっていた。
これとは別に米Netflixは、AWSにおけるセキュリティ設定のモニタリングや分析を行うためのツール「Security Monkey」をオープンソースとして公開した。Security Monkeyは、ポリシーの変更を監視し、AWSアカウントにセキュアでない設定があるとアラートを表示するツール。Netflixでは、AWSのパブリッククラウドで展開する自社サービス向けにこのツールを開発した。
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