マテリアル、アクター、カメラ操作で分かるUnreal Engineの基本的な使い方UnityユーザーのためのUnreal Engine入門(2)(2/2 ページ)

» 2015年07月03日 05時00分 公開
[薬師寺国安PROJECT KySS]
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「ボックス」アクターをビューポート上に配置する

 次に、「RedColor」のマテリアルを選択した状態で、モードパネルの「BSP」内の「ボックス」アクターをビューポート上に配置してみよう。

 モードパネルの「BSP」内の「ボックス」アクターをビューポート上にドラッグ&ドロップする。すると赤系統色で塗りつぶされた「ボックス」アクターが表示される(図11)。

図11 赤系統色で塗りつぶされた「ボックス」アクターが表示された

 次に「ボックス」アクターが単に正面から見えているだけではつまらないので、角度を変えて表示させてみよう。

「ボックス」アクターの角度を変えて表示する

図12 左から「移動ツール」、「回転ツール」、「スケールツール」の順に並んでいる

 ビューボックスの上部にある図12の赤い四角で囲ったアイコン(回転ツール)をクリックする。すると3方向に円弧のような回転ツールが表示される。これで「ボックス」を回転させて図13のような表示にしてみよう。

 「移動ツール」「回転ツール」「スケールツール」はUnityの「トランスフォームツール」に該当し、その機能もほとんど同じだ。

図13 「回転ツール」でボックスを回転させた

 マウスのクリックによるドラッグ&ドロップで図14のような表示になる。その後図12の「移動ツール」を選択して、「回転ツール」は解除した。

図14 「回転ツール」で「ボックス」が回転した

「ボックス」アクターを保存し、複製して追加する

 ここで、メニューから「保存」を行う。ファイル名を入力する画面が表示されるので、「RedColorMaterialSample」という名前で保存した。すると、コンテンツブラウザー内に、図15のように「RedColorMaterialSample」のアイコンが表示された。

図15 コンテンツブラウザー内に、「RedColorMaterialSample」のアイコンが表示された

 コンテンツブラウザーの「RedColor」を選択した状態で、モードパネルの「BSP」から、さらに2個ほど「ボックス」アクターを追加してみよう(図16)。

図16 複数の「ボックス」アクターを配置してみた

 このような処理はUnityで作成した記憶はないだろうか。そう、オブジェクトをPrefab化して、そのPrefab化したAssetを追加していくのと全く同じなのだ。

アクターのグループ化

 ビューポート上に3個の「ボックス」アクターを配置したが、これらは1個1個独立しており、別々に移動させることができる。しかし、別々の移動ではなく、3個の「ボックス」アクターをまとめて一気に移動したいこともあるだろう。その場合はグループ化するといい。その方法を解説しておこう。

 「ワールドアウトライナー」内の「Boxブラシ」、「Boxブラシ2」、「Box ブラシ3」を一気に全て選択する。「キーボード」の「Ctrl」を押しながらクリックすると、まとめて選択できる。

 選択した項目の上で、マウスの右クリックで表示されるメニューの「グループ」を選択する(図17)。

図17 3個の「ボックス」アクターをグループ化した

 では、ビューボート上の3個の「ボックス」アクターがグループ化されているか確認してみよう。

 図12の左の「移動ツール」をクリックして、移動してみよう。図18のように3個の「ボックス」アクターをまとめて移動させられる。

図18 3個の「ボックス」アクターがグループ化された

「カメラ」アクターの配置

 配置した「ボックス」アクターをどのように表示するかを決めるために「カメラ」アクターを配置する。

 「モードパネル」の「全てのクラス」から「カメラ」を選択してビューポート上にドラッグ&ドロップする。ビューポートをマウスのトラックボールで少し縮小して「カメラ」アクターの配置場所を確保しておこう(図19)。

図19 「カメラ」アクターを配置した

 現在のカメラの配置位置で、どのように画面が見えているかが、「CameraActor」内に表示されている。Unityでいうところの「Camera Preview」と同じだ。このカメラ位置では「ボックス」アクターがまともに表示されていないので、カメラの向きを変えよう。図12の「回転ツール」と「移動ツール」で「カメラ」アクターの向きを変える(図20)。

図20 「カメラ」アクターの向きを調整して、「CameraActor」内に表示された

 これで「プレー」ボタンで実行したいところだが、その前にもう一点設定する箇所がある。「カメラ」→「詳細」→「Auto Play Activation」→「Auto Activate for Player」が、「Disabled」になっている箇所に、「▼」アイコンをクリックして「Player 0」を選択しておく(図21)。

図21 「Auto Activate for Player」に「Player 0」を選択する

 ここが、「Disabled」のままだと、「プレー」ボタンで実行しても、図22のように何も表示されない。

図22 「Auto Activate for Player」が「Disabled」では何も表示されない

 「Player 0」を選択すると図23のように表示される。ここで、「ツールバー」から「ビルド」をしておこう。「エラーや警告」が表示されるが今回は気にしなくても構わない。

図23 「Auto Activate for Player」が「Player 0」だと正常に表示される

次回は、空の風景の設定方法について

 今回は、これで終わりだ。今回のメインはアクターにマテリアルを適用することだったが、Unityより少し手順が多く、若干複雑に感じられたかもしれない。しかし、基本的な操作では、Unityと似ている部分も多いので、意外と理解しやすいかもしれない。これ以降も頑張ってついてきてほしい。

 次回は空の風景の設定方法について解説する、お楽しみに。

著者紹介

薬師寺 国安(やくしじ くにやす) / 薬師寺国安事務所

薬師寺国安事務所代表。Visual Basicプログラミングと、マイクロソフト系の技術をテーマとした、書籍や記事の執筆を行う。

1950年生まれ。事務系のサラリーマンだった40歳から趣味でプログラミングを始め、1996年より独学でActiveXに取り組む。

1997年に薬師寺聖とコラボレーション・ユニット「PROJECT KySS」を結成。

2003年よりフリーになり、PROJECT KySSの活動に本格的に参加。.NETやRIAに関する書籍や記事を多数執筆する傍ら、受託案件のプログラミングも手掛ける。

Windows Phoneアプリ開発を経て、現在はWindowsストアアプリを多数公開中。

Microsoft MVP for Development Platforms - Client App Dev (Oct 2003-Sep 2012)。

Microsoft MVP for Development Platforms - Windows Phone Development(Oct 2012-Sep 2013)。

Microsoft MVP for Development Platforms - Client Development(Oct 2013-Sep 2014)。

Microsoft MVP for Development Platforms-Windows Platform Development (Oct 2014-Sep 2015)。

主な著書

Unity4.x アセット活用術: Asset Storeから落としたAssetを自分の作品の中で使用する方法』(Kindleストア)

Unity4.xプログラミングTips集: Asset StoreからインポートしたAssetの使い方を徹底解説』(Kindleストア)

Unity Scriptの基本+Unity Script Tisp集』(Kindleストア)

Unity初めの一歩: 超初心者のためのUnity入門』(Kindleストア)

Unity4.x入門+プログラミングTips集: 初心者から中級者対応。Assetの使い方を徹底解説』(Kindleストア)


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