得するランチ、損するランチ――ランチタイムの活用方法5選経済評論家・山崎元の「エンジニアの生きる道」(20)(1/2 ページ)

ランチタイムの過ごし方で、仕事の生産性が変わる?――エンジニアがエンジニアとして生き残るためには、ビジネス的な観点が必要だ。ビジネスのプロである経済評論家の山崎元さんがエンジニアに必要な考え方をアドバイスする本連載。今回は、ランチタイムの活用方法について考える。

» 2015年12月07日 05時00分 公開
[山崎元@IT]
経済評論家・山崎元の「エンジニアの生きる道」

連載目次

 エンジニアが社会で生き抜くための考え方やノウハウを伝授する本連載。前回は、老後の資産について解説した。今回は、ランチタイムをいかに活用すべきかを考察する。

※この連載は、Webサイト『経済評論家・山崎元の「エンジニアの生きる道」』を権利者の許可を得て転載、@IT編集部が編集を行っています。

ランチタイムの過ごし方で分かれる「得失」

 多くのビジネスパーソンにとって、ランチタイムは楽しみな時間ではないかと想像する。エンジニア読者は、毎日のランチタイムをどのようにお過ごしだろうか。

 筆者は12回転職して13の職場でランチタイムを過ごしたが、職場によってランチタイムの過ごし方はさまざまだった。その経験を基に、ビジネスパーソンのランチタイムの過ごし方別の「得失」を考えてみる。

 仮に1日が8時間労働で平均1時間残業するとして、ランチタイムが1時間なら在社時間の1割に相当する。時間では1割だが、1日の満足度を考えると、ランチタイムの過ごし方の良しあしは1割よりも大きな比率を占めているのではないだろうか。

 今回は、筆者が過去に経験したことのあるランチタイムの過ごし方を5つのパターンに分けて振り返る。読者がランチタイムの有効な過ごし方について考える手掛かりとなれば幸いだ。

パターン1 自席で仕事をしながら「プロフェッショナルランチ」

 最初に紹介するのは、「プロフェッショナルランチ」。自分の席で仕事を続けながらオフィスの近くで買ったサンドイッチや弁当などを食べるパターンだ。健康管理と経済性を考えて、自宅から弁当を持ってくる人もいるだろう。エンジニアの場合、このスタイルが多いかもしれない。

 筆者がかつて勤めていた外資系の会社の上司は、「外資系企業の適性は、一人ランチが苦痛でないかどうかで分かる」と言っていた。一人一人がプロフェッショナルで、自分の仕事の内容を自分で決めるような職場は、同僚に声を掛けられないと寂しいと感じるような人には向かない、ということだろう。

 作業を中断させたくなくてプロフェッショナルランチスタイルになるエンジニアも多いだろう。しかしランチ時間をしっかり取ると、その間に無意識の中で考えが整理されて、再開後に仕事がはかどることは少なくない。よほどの場合を除き、ランチで気分転換するやり方の方を、筆者はお勧めしたい。

パターン2 社内コミュニケーションのための「仕事ランチ」

 ある金融機関では、同じ部署の上司と同僚が打ちそろって社員食堂ないし会社の近所の飲食店に行くのが「当然」だった。

 ランチは上司と都合を合わせてチーム単位で食べることが「普通」とされている職場では、ランチは「コミュニケーションの時間」だと考えて割り切る方がいいと思う。この時間に「小さな自由」を主張するコストは意外に高くつく。ランチタイムは「一種の会議」であり、「仕事の一部」だと考えて、話題を用意しておくくらいの意識の切り替えをして臨むべきだ。

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