ダイキン工業とNECが、AIを用いて知的生産性を高める室内空間を実現するための共同研究に取り組む。室内の温度や湿度の変化を予測し、空調などの設備を制御して快適な空間を作るという。
ダイキン工業とNECは2016年10月24日、「知的生産性を高める室内空間」を実現するための共同研究に取り組むことで合意したと発表した。ダイキンが持つ空気を最適に制御する技術や空気/空間が人に与える影響に関する知見と、NECのAI(Artificial Intelligence:人工知能)/IoT(Internet of Things:モノのインターネット)技術群である「NEC the WISE」を組み合わせて、オフィス向け空調/照明などの設備を制御するソリューションの開発を目指す。
ダイキンは、室内の温度や湿度を制御する技術に加えて、気流の制御、光/音/色などが人にもたらす影響に関する知見、知的生産性に影響を及ぼす因子に関する知見を持つ。一方のNECは、個人を特定する顔認証技術や、人の行動を把握/予測する群衆行動解析技術、人の感情を推定する音声認識技術、振動や匂いなどに関する各種センシング技術、センシング情報の分析に基づく最適空間モデリング技術などを有する。
具体的には、室内空間の利用状況をモニタリングして温度や湿度の変化を予測し、空調の温度や向き、照明の明るさや色などオフィス設備を業務に適する状態に自動的に制御する。「ある人にとっては、寒い/まぶしい」「あるエリアだけ、暑い/暗い」などもあるように、周囲の状況(明るさ、振動、匂いなど)や、オフィスワーカー個人のストレスや心理状態、血圧、心拍数といった人のバイタルデータも加味しながら、きめ細かい制御を行うという。
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