田舎暮らしは「のびのびと暮らせる」といったイメージを持たれがちですが、住む場所によっては窮屈さを感じることもあります。筆者も移住後、東京で暮らしていたころと比べて周囲へ配慮するシーンが確実に増えました。
例えば秋田の冬には「除雪」が付きものです。筆者は現在アパート暮らしですが、敷地内は住人で除雪しなければならないため、自分の車の駐車スペースを確保するだけでなく、たまには共用部分の雪かきもしないと何となく後ろめたさを感じます。
「すれ違いざまには欠かさずあいさつをすべきである」「自宅の庭の草刈りを怠ると、周囲からだらしないと思われるヨ」などのありがたいアドバイスを頂戴する地域もあります。
これだけを見ても分かるように、田舎暮らしがあらゆる人に最適であるとはなかなか言えません。田舎暮らしを始めたのに「こんなはずじゃなかった……」と後悔する方の中には、理想を追い求め過ぎて勢いで飛び込んでしまったケースもあるのではないでしょうか。
もちろん、住み慣れた環境を飛び出して移住する際にはどこかで「勢い」が必要です。しかし、それは「無謀」「無計画」と必ずしもイコールではありません。移住先に自分や家族にとって「許容し難いデメリット」がないか、移住前に考慮した方が良いと思います。
移住先を探す際のチェックリストを作ってみました。エンジニアならではの観点も盛り込みましたので、参考にしてください。
基本的に、田舎に行けば行くほど生活の利便性は下がります。そこでポイントになるのは、「どの程度までその不便さを許容できるか」です。
筆者の住む五城目町を例に挙げると、車があればコンビニやスーパーまで10分以内でアクセスできます。しかし、セミナーやイベント、あるいは映画を見るためには、秋田市に出向かねばならず、車で40〜60分程度かかります。
移住当初は「移動に1時間かかるなんて……」と思いましたが、慣れてくると何とかなるものです。五城目町には筆者より先に移住した人がいて、地元の人が暮らし続けてきたのですから、人が生活できないわけがないのです。
本当の問題は、不便さそのものではなく、その不便さを本人がどう捉えるかにあるのだと思います。
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