昨日は何回イラっとした?――感情コントロール「ステップ1 感情のバグに気付く」ストレスフルな職場でエンジニアが心穏やかに働くための5段階感情コントロール(2)(4/4 ページ)

» 2017年04月07日 05時00分 公開
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「じぶん観察力」の磨き方

 じぶん観察力は「生まれ持った資質」ではありません。今からでも身に付けられます。

 「自分は今、これが正しいと思っているけれど、なぜ、これを正しいと思っているのだろう?」と「考え」を振り返ったり、「自分は今、目の前の出来事にイラっとしているけれど、何がイラっとさせるのだろう?」など、感情が発生した「理由」を振り返ったりすることを意識し、習慣にすると、自然と身に付きます。

 けれども、「意識する」と言っても、すぐには習慣にできないかもしれません。そこでオススメなのが「思ったり感じたりしたことを記録する」手法です。具体的に「行動」し「目に見える」形にすると、習慣化しやすくなります。記録媒体は、私は紙のノートを使っていますが、スマートフォンのメモアプリなどでもいいでしょう。

 記録には他にもメリットがあります。自身の考えや感情を書き出すと、「自分の考えを目で見る」ことになり、考えや感情に外側から「客観的に触れる」ことになります。細かな感情変化を記録すると、「感情が発生するパターン」に気付くこともあります。

 普段、大ざっぱに捉えている感情への理解が深まるでしょう。

※書籍「感情スイッチを切りかえれば、すべての仕事がうまくいく。」では、じぶん観察力を磨くその他の方法も紹介しています

感情に気付くからこそ必要な対処ができる

 心穏やかに働きたいと願っているエンジニアにとって、ネガティブな感情は「できれば、関わりたくない存在」かもしれません。だから、「出さない」感情コントロールが一般的だったのでしょう。

 しかし、バグを未然に防ぎ良好なシステムを開発するためには、変化に気付き、必要な対処をすることが大切です。同様に、心穏やかに働くために大切なのは、発生している感情に気付くことです。感情に気付くからこそ、必要な対処ができるのです。

 次回(4月14日掲載)は、5段階感情コントロールの2番目、ネガティブな感情を「受け入れる」についてお話しします。

書籍紹介

感情スイッチを切りかえれば、すべての仕事がうまくいく。

感情スイッチを切りかえれば、すべての仕事がうまくいく。

竹内義晴著 すばる舎 1566円(税込み)

自分の「感情スイッチ」を探し、より実践しやすい感情スイッチの切り替え方を、[気付く→受け入れる→鎮める→切り替える→活かす]の5つのステップで紹介していく

筆者プロフィール

竹内義晴

しごとのみらい理事長 竹内義晴

「仕事」の中で起こる問題を、コミュニケーションとコミュニティの力で解決するコミュニケーショントレーナー。企業研修や、コミュニケーション心理学のトレーニングを行う他、ビジネスパーソンのコーチング、カウンセリングに従事している。

著書「感情スイッチを切りかえれば、すべての仕事がうまくいく。(すばる舎)」「うまく伝わらない人のためのコミュニケーション改善マニュアル(秀和システム)」「職場がツライを変える会話のチカラ(こう書房)」「イラッとしたときのあたまとこころの整理術(ベストブック)」「『じぶん設計図』で人生を思いのままにデザインする。(秀和システム)」など。


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