松山市の道後温泉から徒歩10分、鈴懸の並木道に沿って「愛媛大学」がある。
法文学部、教育学部、社会共創学部、理学部、医学部、工学部、農学部の7学部と、大学院6研究科を擁する、四国最大の総合大学だ。工学部は、「一太郎」の産みの親であり、日本語変換の基礎を築いた偉大なプログラマーであり経営者である、浮川和宣氏、浮川初子氏(現:MetaMoji代表取締役)を輩出したことで知られる。
愛媛大学では古くから、瀬戸内海の環境問題や地球規模の海洋汚染の研究が行われてきた。「沿岸環境科学研究センター」は、生物環境試料バンクも備えている。環境先進県を目指す愛媛県は、同大の研究者を招いて「えひめ環境大学」を開催している。
「地球深部ダイナミクス研究センター」は、その名の通り地球深部の構造や動きを研究する施設だ。「ヒメダイヤ(ナノ多結晶ダイヤモンド)」という名前を聞いたことのある人も多いのではないだろうか。
タンパク質をキーワードに、生命科学の研究から医学への応用を目指す「プロテオサイエンスセンター」には、難病克服への期待がかかる。
「宇宙進化研究センター」では宇宙の起源と進化の研究が行われている。スーパーコンピュータを使ったダークマターシミュレーションには、サイエンスとテクノロジーとの結び付きが見て取れる。
同大はこうした世界的研究の一方で、地域への貢献も理念として掲げている。
社会人にとってありがたいのは、単位習得可能な「科目等履修」、単位習得なしの「聴講」の制度があることだろう。業務上必要な知識をピンポイントで習得しやすい。学生に戻りたいなら、「社会人入試」や「編入学」制度がある。法文学部には「夜間主コース」もある。
なお、構内には、放送大学の愛媛学習センターがある。単位互換協定により、単位互換できる大学がある。また、近隣大学などとの単位互換が可能だ。
募集要項は毎年変わる可能性があるので、情報が必要になった時点で、同大Webサイトをチェックしよう。
愛媛大学のすぐ西側には「松山大学」がある。
同大には、経済学部経済学科、経営学部経営学科、人文学部英語英米文学科、人文学部社会学科、法学部法学科、薬学部医療薬学科の5学部6学科と、大学院5研究科がある。
終身雇用が崩壊しつつある今では、エンジニアにも多少の経営センスは必要だ。優れた開発物は、世に送り出したいもの。事業化となると、いきなりマネジメントスキルが問われ始める。法人化して社員を雇用するとなれば、なおさらだ。
そこで、松山大学に学ぶ、という方法が考えられる。
社会連携・生涯学習事業が充実しており、教養やビジネスの知識を得られる、「松山大学コミュニティ・カレッジ」や、ビジネススキルを学べる「松山大学履修証明プログラム」がある。また、「科目等履修生募集制度」や、「社会人特別選抜入学試験制度」もある。
松山大学と愛媛大学、それぞれで学んだ移住者ユニットで起業する、という方法も考えられるのではないだろうか。
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