de:code 2019の基調講演の中から、AI・機械学習に関連するトピックを簡単にまとめる。
2019年5月29日に日本マイクロソフトが開催した開発者向けカンファレンス「de:code 2019」の基調講演では、マイクロソフトにおける最新の技術情報などが説明された。本稿ではその中でも、AI・機械学習に関連するトピックを手短に概要紹介していく。
まず会場を沸かせたのが、AIりんなの歌だ。
りんながavexと契約して歌手デビューしたのは今年の春(2019年4月)のことだが、今回はそれに、AIによるダンスの自動生成が加わった。踊るのは、日本マイクロソフトの平野社長だ。
ダンスを自動生成するAIは、平野社長が15分ほど踊った事前収録映像データと、プロダンサーが踊った振り付けスケルトンデータを融合させて生成したものだという。
続いて、アプリにAIを組み込むためのAzureサービスについての最新情報も説明された。
そのサービスは大きく分けて、
の2つがある。
Azure Cognitive Servicesは、事前学習されたAIモデルをREST APIで簡単に利用したり、コンテナでデプロイしたりできるサービスである。コンテナを利用すれば、クラウドだけでなく、オンプレミスやエッジデバイスなどあらゆる場所にデプロイできるというメリットがある。
しかも、前掲の画像に「新機能」とあるように、サービスの新機能を続々と追加している。
また、その学習済みモデルはマイクロソフトによる長年のAI研究の成果が詰まったものである。
その他の最新情報としては、文書の中身を解釈してデータ化してくれるForm Recognizerのプレビュー版や、CADファイルや動画などにも使えるAzure Cognitive Searchの一般提供開始(GA)などが発表されている。
ここまでが学習済みのAIのサービスについての紹介である。
ここからは、カスタムAIのサービス「Azure Machine Learning」(以下、Azure ML)について紹介していこう。
Azure MLでは、TensorFlowやPyTorch、Kerasなどを含めさまざまなフレームワークや、PyCharmやVisual Studio Codeといった機械学習に役立つ各種ツールをサポートしている。
Azure MLにも続々と新機能が追加されており、最近だと、Automated ML(自動機械学習)のUIサポートなどがある。機械学習向けのDevOpsであるMLOpsのサポートも強化している。
マイクロソフトはAzureによってクラウドからエッジデバイスまで、AIモデルがデプロイできるようにサポートしていくとのこと。
AI・機械学習の最新技術情報については、このような内容だった。大きく目立つ新機能はないが、粛々とAI・機械学習のサポートが拡大している。
ちなみに機械学習関連の報道発表としては、機械学習などによる自動運転テクノロジーを扱うベンチャー企業「アセント」との協業がアナウンスされた。アセントは、自動運転のための機械学習で、Azureの活用を拡大していくという。
本稿では「AI技術情報」という観点でまとめたが、その他にもAIと絡めた話は多々あった。気になる人は、基調講演のオンデマンド配信を視聴してみてほしい。
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