デルとEMCジャパンは、中小企業の働き方改革とWindows 10への移行に関する実態調査の結果を発表した。約半数がWindows 10への移行を完了しており、移行方法は「PCの買い換え」が最も多かった。
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デルとEMCジャパンは2020年1月31日、中小企業の働き方改革と「Windows 10」への移行に関する実態調査の結果を発表した。調査対象は全国の中小企業(従業員99人以下)のIT担当者1035人で、2019年12月に実施した。調査結果によると、Windows 10への移行を完了していた割合は約半数。Windows 10への移行を考えていないと回答した割合も1割あった。
今回の調査では、「IT担当者の業務環境」「働き方改革の実態」「Windows 10への移行状況」「PCの買い換え」という、大きく分けて4つの点を調べた。
まず、中小企業のIT担当者はほとんどが兼任で、IT管理業務に割く時間とIT関連知識が限られていることが分かった。具体的には、他の主業務との兼任と回答したIT担当者の割合は92%。ITに関する知識レベルについては、「少しある(PCのカタログを見て機能や性能を理解できる)」と回答した割合が最も高く40%、「十分にIT知識がある」と回答した割合は9%にすぎなかった。
中小企業のIT担当者は、働き方改革によるIT環境の整備やWindows 10への移行などによって、負担が高まっている傾向にあることも分かった。IT担当者としての業務の負担が増えていると感じているかを聞くと、「とてもそう思う」と回答した割合は13%、「そう思う」が26%で約4割が実感していた。
次に、働き方改革の実施状況について尋ねると、「実施している」と回答した割合は13%、「部分的に実施している」は25%、「検討中」は16%だった。
実施していると回答した人に、具体的に導入している働き方改革の内容を聞くと、「有給休暇取得の促進」と回答した割合が最も高く67%。次いで、「時間外労働の是正」の47%だった。
働き方改革の実現に必要なIT環境としては、ハードウェア環境の整備を挙げる人が多かった。具体的には、「ノートPCの整備」と答えた割合が48%(複数回答)、「デスクトップPCの整備」が33%、「タブレットの整備」が27%、「スマートフォンの支給」が19%だった。他には、「ペーパーレス化」(25%)や「テレビ会議機器」(11%)、「リモートアクセス」(9%)などが挙がった。
一方、Windows 10への移行については、調査を実施した2019年12月時点で、「完了」と回答した割合は56%、「現在移行中」が15%、「Windows 7のサポート終了までに移行する予定」が15%だった。企業の規模別に見ると、従業員数が9人以下の企業では「完了済み」と「現在移行中」を合わせて66%だったのに対し、従業員数が10人以上の企業は76%だった。
移行がまだ完了していない理由を聞くと、従業員数が9人以下の企業では「データやソフトウェアの移行」や「予算」と回答した割合が高く、いずれも22%。従業員数が10人以上の企業では、「予算」が32%で最も多く、「使用するソフトウェア(セキュリティ、管理など)のWindows 10への対応」が29%、「データやソフトウェアなどの移行」が21%だった。
Windows 10への移行方法は、「PCの買い換え」が最も多く、54%を占めた。次いで、「OSのアップグレード」が31%。「PCの買い換えとOSのアップグレードを併用」が15%だった。
これに対して「移行を考えていない」と答えた割合は10%。その理由を聞くと、最も多かった回答は「必要性を感じていない」(56%)だった。デルとEMCジャパンは、「セキュリティ面での知識不足がうかがえる」としている。
最後に、PCを買い換える際、今まで使っていた古いPCの処分方法について聞くと、「そのまま持っておく」や「業者の無料回収」と回答した割合が最も高く、それぞれ32%(複数回答)。次点は「PCメーカーに依頼」で23%だった。
古いPCをそのまま持っておく理由としては、「情報漏えいが心配だから」と回答した割合が最も高く、47%を占めた(複数回答)。次いで、「費用がかかるから」の43%、「処分の方法が分からない」の21%と続いた。
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