大幅刷新されたWebベースの管理ツール「Windows Admin Center 2410」のインストール方法を見るMicrosoft Azure最新機能フォローアップ(218)

Microsoftは2024年12月12日、「Windows Admin Center V2 Preview」としてテストされていた「Windows Admin Center 2410」を正式リリースしました。今回は、正式リリース版のインストール方法を詳しく見ていきます。

» 2025年03月07日 05時00分 公開
[指崎則夫デル・テクノロジーズ株式会社]

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Microsoft Azure最新機能フォローアップ

WAC 2410のインストールウィザードについて捕捉

 Microsoftが提供する「Windows Admin Center(WAC)」は、「Windows Server」「Windows 10/11」クライアント、Windows Serverと「Microsoft Azure」のハイブリッドクラウド環境、ハイパーコンバージドインフラストラクチャ「Azure Stack HCI」のセットアップ/構成/管理に対応したWebベースの管理ツールです(「Microsoft Edge」「Google Chrome」で利用可能)。

 2024年12月12日(米国時間)に正式リリースされた「Windows Admin Center 2410」(WAC 2410)は、「Windows Admin Center V2 Preview」としてテストされていました。今回は、正式リリース版のインストール方法を詳しく見ていきます。

 なお、前回説明したように、日本語環境へのインストール時には文字化けが発生する問題がありましたが、現在は問題が解消されたマイナーアップデートビルドが公開されています。ただし、本稿では英語を中心とした表記になることをご了承ください。

 前回は、WAC 2410とこれまでのWACでインストールパラメーターに差異があることと、WAC 2410の詳しいインストールパラメーターを説明しました。その説明において、WAC 2311のインストールウィザードと同じパラメーターは、WAC 2410のインストールウィザードでは分割されたことが少し分かりにくいと感じたので、本稿ではまずその部分を補足しておきます。

 WAC 2311のインストールウィザードの3ページ目にある「HTTPSを経由したWinRMのみを使用」と同等のパラメーターは、WAC 2410のカスタムセットアップインストールウィザードでは10ページ目にあります(画面1〜2)。

ALT 画面1 WAC 2311のインストールウィザードの3ページ目にある「HTTPSを経由したWinRMのみを使用」
ALT 画面2 WAC 2410のカスタムセットアップインストールウィザードでは10ページ目にある「WinRM over HTTPS」

 WAC 2311のインストールウィザードの3ページ目にある「Windows Admin Centerを自動的に更新する」と同等のパラメーターは、WAC 2410のカスタムセットアップインストールウィザードでは11ページ目にあります(画面3〜4)。

ALT 画面3 WAC 2311のインストールウィザードで3ページ目にある「Windows Admin Centerを自動的に更新する」
ALT 画面4 WAC 2410のカスタムセットアップインストールウィザードでは11ページ目にあるAutomatic Updates

 WAC 2311のインストールウィザードの3ページ目にある「Windows Admin Centerサイトのポートの選択」と証明書の選択と同等のパラメーターは、WAC 2410のカスタムセットアップインストールウィザードでは6ページ目、7ページ目に分かれています(画面5〜7)。

ALT 画面5 WAC 2311のインストールウィザード4ページ目にある「Windows Admin Centerサイトのポートの選択」および証明書の選択
ALT 画面64 WAC 2410のカスタムセットアップインストールウィザードでは6ページ目にあるPort Numbers
ALT 画面7 WAC 2410のカスタムセットアップインストールウィザードでは7ページ目にあるSelect TLS certificate

 本稿執筆時に気が付いたのですが、WAC 2311のインストールウィザードの3ページ目にある「HTTPポート80のトラフィックをHTTPSにリダイレクト」は、WAC 2410ではなくなっていました。

 なお、画面7のインストールウィザードの「Use the pre-installed TLS certificate」では使いたい証明書の母印を選べます。

WAC 2410のカスタムセットアップインストールウィザードのインストールパラメーターは、インストール後にどう変更するのか

 WAC 2311以前は、「設定」やコントロールパネルの「Windows Admin Center」からインストールパラメーターを変更できました。

 WAC 2410のインストールパラメーターは、それができなくなっています。「Windows Server 2025」にインストールしたWAC 2410を例にすると、「設定」からはアンインストールのみが可能です(画面8)。

ALT 画面8 「設定」からはアンインストールのみが可能

 WAC 2410のインストールパラメーター変更は、インストールウィザードの再実行ではなく、Windows PowerShellコマンドレットで操作するように変更されたと筆者は考えています。Windows PowerShellコマンドレットによるWAC 2410のインストールパラメーターの操作は、別途解説します。

インストール後の設定項目について解説

 前項で記載したインストールパラメーターとは別に、WAC 2410にはWeb UI(Webユーザーインタフェース)による設定メニューがあります。

 WAC 2311からWAC 2410へのバージョンアップに伴い、この設定メニューが少し変わりました。まず、「診断」と「フィードバック」がなくなっています(画面9〜10)。

ALT 画面9 WAC 2311設定メニューの「診断とフィードバック」
ALT 画面10 WAC 2410設定メニュー

 また、WAC 2311とWAC 2410では、「提案」の位置が変わりました(画面11〜12)。

ALT 画面11 WAC 2311設定メニューの「提案」
ALT 画面12 WAC 2410設定メニューの「提案」

 WAC 2410の詳細設定における新しいパラメーターとして、「サイドロードされる拡張機能」が追加されています(画面13〜14)。

ALT 画面13 WAC 2311設定メニューの「詳細設定」
ALT 画面14 WAC 2410設定メニューの「詳細設定」にある「サイドロードされる拡張機能」

 さらに、アクセス(ゲートウェイアクセス)におけるパラメーターが変更され、WAC 2311ではあった「他要素認証」がなくなりました。代わりというわけではないですが「アクセスキー」が増えています(画面15〜16)。

ALT 画面15 WAC 2311設定メニューの「アクセス」
ALT 画面16 WAC 2410設定メニューの「アクセス」

 以上、WAC 2410のインストール時、インストール後の設定について差異などの概要を解説しました。こうしたパラメーターの変更を把握しておくことで、WAC 2410のインストールをスムーズに進められるでしょう。

筆者紹介

指崎 則夫(さしざき のりお)

デル・テクノロジーズ株式会社勤務。2014年からMicrosoft MVPを連続して受賞。


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