Windows 11にサインインした後、常にWebブラウザやメールクライアントなどを順番に起動していないだろうか。常に、決まったアプリケーションを起動するのであれば、これらをスタートアップに登録し、自動起動するように設定するとよい。また、スタートアップに登録されている不要なアプリケーションを削除すれば、起動を少し高速化できる。
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対象:Windows 11
Windows 11にサインインしたら、毎回、同じアプリケーションを起動してから作業を始めるという人も多いのではないだろうか。こうした起動するアプリケーションが決まっているなら、[スタートアップ]フォルダにアプリケーションのショートカットを登録し、サインイン後に自動的に起動するように設定すると、アプリケーションを手動で起動する手間が省けて便利だ。
また、アプリケーションをインストールすると、自動実行するように[スタートアップ]フォルダに登録するものがある。こうしたアプリケーションの中で、自動実行が不要なアプリケーションがある場合、[スタートアップ]フォルダから削除することで、起動を少し高速化できる。
そこで本Tech TIPSでは、Windows 11にサインインしたら、特定のアプリケーションが自動的に起動できるように設定する方法や、それを解除する方法を紹介する。アプリケーションの起動時にファイルやWebページなどを同時に開くこともできる。Windows 10のスタートアップの設定方法は、Tech TIPS「【Windows 10】スタートアップで起動時に実行されるアプリを追加・削除する」を参照してほしい。
Windows OSには、「スタートアップ」と呼ばれる機能があり、アプリケーションのショートカットを[スタートアップ]フォルダに置くことで、それらのアプリケーションをサインイン後に自動で起動させることができる。Windows 10の場合、デフォルトでは以下の場所が[スタートアップ]フォルダとなる。
■ユーザーごとの[スタートアップ]フォルダのパス
C:\Users\<ユーザー名>\AppData\Roaming\Microsoft\Windows\Start Menu\Programs\Startup
■全ユーザー共通の[スタートアップ]フォルダのパス
C:\ProgramData\Microsoft\Windows\Start Menu\Programs\Startup
ただし、ユーザーごとの[スタートアップ]フォルダがある[AppData]フォルダは、隠しフォルダになっているため、デフォルトではエクスプローラーに表示されない。そのため、エクスプローラーを起動したら、[表示]メニューの[表示]−[隠しファイル]を選択して、チェックを入れればよい。
また、ユーザーごとの[スタートアップ]フォルダは、エクスプローラーのアドレスバーに「shell:startup」と入力し、[Enter]キーを押すことでも開くことができる。この場合は、隠しフォルダを表示する設定にしておく必要はない。全ユーザー共通の[スタートアップ]フォルダは、同様に「shell:common startup」で開くことが可能だ。
[スタートアップ]フォルダの中に、不要なアプリケーションのショートカットが登録されている場合、このショートカットを削除することで、自動実行しないようにできる。
前述の通り、[スタートアップ]フォルダは、全ユーザー共通とユーザーごとの2つがあるので、自動起動を止めたいアプリケーションがある場合はこの両方のフォルダを開いて、それぞれで不要なアプリケーションを削除する必要がある点に注意してほしい。
上述の手順で[スタートアップ]フォルダをエクスプローラーで開いたら、そこに自動起動させたいアプリケーションのショートカットを作成すればよい。
手軽なのは、デスクトップや[スタート]メニューの[すべてのアプリ]画面にあるアプリケーションアイコンをドラッグ&ドロップして[スタートアップ]フォルダにコピーする方法だ。
例えば、Google Chromeを自動起動したい場合、エクスプローラーで[スタートアップ]フォルダを開いておき、ここにデスクトップや[スタート]メニューの[すべてのアプリ]画面にある[Google Chrome]アイコンを[スタートアップ]フォルダにドラッグ&ドロップすればよい。これでGoogle Chromeのショートカットが[スタートアップ]フォルダに登録され、次回のサインイン後にGoogle Chromeが自動起動するようになる。
ただし、全ユーザー共通の[スタートアップ]フォルダにアプリケーションのショートカットをドラッグ&ドロップする場合、管理者の権限が求められるので、管理者アカウントでサインインしている場合は[続行]ボタンを押すこと。管理者権限がない場合は管理者アカウントの認証情報を入力する必要がある点に注意してほしい。特別な事情がない限り、ユーザーごとの[スタートアップ]フォルダに登録するのが楽だ。
[スタート]メニューの[すべてのアプリ]画面に登録されていないようなアプリケーションの場合は、エクスプローラーでアプリケーションがインストールされているフォルダを開き、実行ファイルを右クリックして、[その他のオプションを確認]−[ショートカットの作成]を選択して、ショートカットを作成し、これを[スタートアップ]フォルダに移動すればよい。
サインイン後の自動起動時に特定のWebページやファイルを開いた状態にできると、さらに効率よく作業がスタートできることがある。
Google Chromeで自動起動時に限らず、同じ検索ページやポータルページなどを開きたい場合は、Google Chrome完全ガイド「Google Chromeの起動時のページとプロキシ、検索エンジンを設定する」を参考に、起動時のページを指定するとよい。
サインイン後の自動起動時だけ、特定のWebページを開きたい場合は、[スタートアップ]フォルダに置いたショートカットを編集すればよい。ショートカットのプロパティを開き、「リンク先」を以下のように編集することで、特定のWebページを開いた状態で起動させることもできる。
"C:\Program Files\Google\Chrome\Application\chrome.exe" atmarkit.itmedia.co.jp
エクスプローラーやWindowsターミナル(ターミナル)の場合、[スタート]メニューの[すべてのアプリ]画面からショートカットをドラッグ&ドロップでコピーした場合、ショートカットのプロパティに「リンク先」がないため、特定のフォルダを開いた状態で起動するように設定できない。
このようなアプリケーションの場合、デスクトップの空いているところを右クリックし、表示されたメニューで[新規作成]−[ショートカット]を選択、表示された[ショートカットの作成]ウィザードで、以下のように実行ファイル名に開きたいフォルダやコマンドオプションを設定したショートカットを作成すればよい。
explorer.exe C:\Users\<ユーザー名>\Documents\仕事
wt.exe -d c:\Temp
実行ファイル名が分からない場合は、[設定]アプリを起動し、[アプリ]−[アプリの詳細設定]−[アプリ実行エイリアス]画面で確認できる場合がある。もし、ここでスイッチが「オフ」になっていると、実行エイリアス名で起動できないので、実行したいアプリケーションのスイッチが「オフ」になっている場合は、「オン」にすること。
また、Microsoft Storeアプリで実行エイリアス名が設定されていないような場合、Tech TIPS「Windows 10のMicrosoft Storeアプリをコマンドラインやバッチから起動する」の表「アプリを起動するためのURIスキーム(主なもののみ)」を参考に、URIスキームを[ショートカットの作成]ウィザードで設定すればよい。例えば、「メール」アプリの場合、「outlookmail:」とする。
アプリケーションの中には、インストール時にレジストリキーに登録することで自動起動するものもある。上述の[スタートアップ]フォルダに登録した場合も含め、こうしたサインイン後に自動起動するように設定されたアプリケーションは、Windows 11の[設定]アプリで自動起動を有効化/無効化できる。
[設定]アプリを起動し、左ペインで[アプリ]を選択して、[アプリ]画面を開く。右ペインの[スタートアップ]を選択すると、[スタートアップ]画面が開くので、ここの表示されたアプリケーションの一覧の中から自動起動が不要なアプリケーション名のスイッチを「オフ」にすればよい。
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