オープンソースのKubernetesネットワーク可観測性プラットフォーム「Retina」をリリース Microsoft「従来のツールで効果的に観測、分析できないデータを可視化する」

Microsoftは、特定のクラウドに依存しないオープンソースのKubernetesネットワークオブザーバビリティプラットフォーム「Retina」をリリースした。

» 2024年03月26日 08時00分 公開
[@IT]

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 Microsoftは2024年3月19日(米国時間)、特定のクラウドに依存しないオープンソースのKubernetesネットワークオブザーバビリティ(可観測性)プラットフォーム「Retina」をリリースした。Retinaは、コンテナネットワークインタフェース(CNI)、OS、クラウドにかかわらず、Kubernetesのワークロードトラフィックを可視化、観測、デバッグ、分析できる。

 Microsoftによると、Retinaはアプリケーションとネットワークの健全性とセキュリティを監視するための一元化されたハブとして機能するという。また、DevOps、SecOps、コンプライアンスのユースケースに取り組むクラスタネットワーク管理者、クラスタセキュリティ管理者、DevOpsエンジニアに、実用的な洞察を提供できるとしている。

 Retinaは、カスタマイズ可能なテレメトリーを収集し、さまざまなストレージオプション(Prometheus、Azure Monitor、他のベンダーの製品など)にエクスポートしたり、さまざまな方法(Grafana、Azure Log Analytics、他のベンダーの製品など)で可視化したりすることが可能だ。

 Microsoftは、Retinaを開発した背景について、「Kubernetesのようなクラウドネイティブ技術は、どこでも実行できるアプリケーションの構築を容易にした。だが、コンテナ化されたアプリケーションがより大規模で複雑になるにつれて、クラウドでの管理はますます難しくなっている。また、従来のツールでは、ネットワークデータを効果的に観測、分析できない場合が多い」と説明している。

 そこでMicrosoftは、クラウドネイティブアプリケーション向けの包括的なネットワークオブザーバビリティソリューションによってこれらの課題に対処することを目指し、Retinaを開発した。

Retinaの特徴

 MicrosoftはRetinaの特徴として、以下を挙げている。

クラウドネイティブアプリケーションに関するネットワーク洞察を提供

 Retinaは、eBPF(extended Berkeley Packet Filter)を利用して、コンテナ化されたマイクロサービスがネットワーク上でどのように相互作用するかなどを確認する方法をユーザーに提供し、レイテンシやパケットドロップなどの問題のトラブルシューティングを支援する。

非侵入型

 Retinaは、コード変更なしで既存のアプリケーションと連携し、ネットワーク問題を観測してトラブルシューティングする簡単な方法をユーザーに提供する。

環境サポート

 Retinaは、あらゆるCNI、OS、クラウド、Kubernetesプラットフォームにシームレスに対応する。高い汎用(はんよう)性、適応性、拡張性を備えるプラグインフレームワークとして設計、開発されており、さまざまな環境で既存ツールセットに追加して有効活用できる。

拡張可能なアーキテクチャ

 Retinaは、ストレージと洞察/可視化のための幾つかのオプションをサポートしている。Microsoftは、これらのオプションの一部を含むRetinaの高レベルアーキテクチャを以下の図のように紹介している。

Retinaの拡張可能なアーキテクチャ(提供:Microsoft)

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