ソフトバンクは、2023年3月にサービスを開始したネットワークシェアリングによる「プライベート5G(共用型)」に続き、2024年3月に「プライベート5G(専有型)」の提供を始めた。5Gの主要設備の一部をユーザー側に設置する専有型は5G利用の活性化につながるのだろうか。
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携帯通信事業者による5Gサービス(キャリア5G)が2020年に始まって4年が経過した。企業による5Gの活用は、期待したほど早くはないが着実に進んでいる。
例えば、2021年12月に本連載で紹介した牧野フライス製作所 厚木事業所では、モバイルロボットの運用に加えて、「iPhone」を使った検品アプリなどにもキャリア5G(KDDI)の活用が広がっている。2023年6月に取り上げたコマツとEARTHBRAINが開発したキャリア5G(NTTドコモ)による建機の遠隔操作システムは2024年5月、建設機械向け遠隔操作システム「Smart Construction Teleoperation」として全国で販売を開始した。
キャリア5Gはローカル5Gと比較して、「安い」(イニシャルコストが少額)、「簡単」(ユーザーによる免許申請不要)、「陳腐化しない」(サービスなので機能や設備が更新される)、「速い」(実測値が速い)というメリットがある。
ソフトバンクは企業におけるキャリア5G活用を促進するため、2023年3月にネットワークシェアリング(仮想ネットワーク)を使った「プライベート5G(共有型)」のサービスを開始した。
そして2024年3月に、5Gコア設備の一部や基地局をユーザー専用の設備として使用する「プライベート5G(専有型)」の提供を開始した。企業による5G活用の活性化につながるかどうか、特徴や考えられる用途について述べる。
執筆に当たって、ソフトバンク 法人プロダクト&事業戦略本部 5Gサービスプロダクト部 部長 上村勇貴氏と同 プロダクト技術本部 NW企画開発部 プロジェクト推進課 課長 山田 大輔氏に取材させていただいた。
プライベート5G(専有型)の構成は図1の通りだ。
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