無駄無駄無駄! 効率化するために知っておきたい会議の3つの目的と4つの進め方:経済評論家・山崎元の「エンジニアの生きる道」(13)(3/3 ページ)
エンジニアがエンジニアとして生き残るためには、ビジネス的な観点が必要だ。ビジネスのプロである経済評論家の山崎元さんがエンジニアに必要な考え方をアドバイスする本連載。今回は会議の「無駄」を省く必殺技を伝授する。
会議の改善方法
真に必要な会議は、物事を決める意思決定目的の会議だけだ。こうした会議の生産性を上げるためには次のような方法が考えられる。
(1)会議の「目的(何を決めるための会議か)」「日時」「場所」「出席予定メンバー」を広い範囲にメールなどで周知する。「自分も参加したいと思う者は出席の希望を伝えてくれたら参加を歓迎する」ことと「会議の要旨を後から送付するので、これにコメントしていい」ことを付記する。
(2)会議の「目的」を述べて、この目的のためだけに会議を行うと宣言して、できるだけ短時間で議論を行う(発言の必要がない参加者はその場にいないはずだ)。
(3)必ず「結論」を出して、その場で確認する。
(4)結論を関係者にメールなどで配布し、その際に「コメントがあれば送ってほしい」と付記する。
こうした手続きを踏んで会議を行えば、参加の必要がないメンバーの時間が無駄にならないし、疎外されたと感じるメンバーがいなくなる。人数と目的が絞られているので、会議自体が手早く進むはずだ。
前述のように、運用会社は社内会議が多い。実はある会議で筆者が進行役を務めたときに、会議の冒頭で次のように述べたことがある。
「この会議の目的は第一に運用方針を決めることと、第二に情報の共有です。発言者は、自分の発言が、『情報の提供』なのか、『意見』なのか、あるいは『指示』なのかを明確に意識して発言してください。議論に関係のない『感想』は発言を禁じます」
多人数の定例会議だったが、いつもの半分未満の時間で終了した。「偉い人」の「感想」を皆で拝聴する時間が長いのが、会議が長引く原因だったのだ。
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筆者プロフィール
山崎 元
経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員
58年北海道生まれ。81年東京大学経済学部卒。三菱商事、野村投信、住友信託銀行、メリルリンチ証券、山一證券、UFJ総研など12社を経て、現在、楽天証券経済研究所客員研究員、マイベンチマーク代表取締役、獨協大学経済学部特任教授。
2014年4月より、株式会社VSNのエンジニア採用Webサイトで『経済評論家・山崎元の「エンジニアの生きる道」』を連載中。
※この連載はWebサイト『経済評論家・山崎元の「エンジニアの生きる道」』を、筆者、およびサイト運営会社の許可の下、転載するものです。
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