次期サーバOS「Windows Server 2008 R2」の新コーナースタート。今回は製品コンセプトとベース・システムの強化点を解説。
「Windows Server 2008の真価」は、2009年10月に出荷が予定されている、Windows Server 2008の後継OSである、Windows Server 2008 R2の注目機能について解説するコーナーです。
2008年4月15日にWindows Server 2008が登場してから1年半、2009年10月22日にWindows Server 2008 R2という新しいサーバOSが出荷される。本シリーズでは、この新しいWindows Srever 2008 R2の新機能、機能強化点を順次解説していく。まず、その第1弾となる今回は、Windows Server 2008との違いを含め、製品の基本的なコンセプトから説明していこう。
本題に入る前に、企業のシステム管理者であれば誰でも気になるクライアント・アクセス・ライセンス(CAL)について説明しておこう。「R2=リリース2」という名前が付いたこの製品は、新しいOSではあるものの、Windows Server 2008と共通のCALが利用可能となっている。よって、Windows Server 2008のCALを持っているユーザーは、Windows Server 2008からR2にサーバOSをバージョンアップしても、既存のCALが利用可能だ。またこれから購入する人は、1つのCALで現行のWindows Server 2008にも、Windows Server 2008 R2にもアクセスできる。つまり、Windows Server 2008をR2にバージョンアップする際でも、CALのバージョンアップによるコスト負担は発生しないということだ。
では、Windows Server 2008 R2 の新機能をカテゴリ分けした一般的に利用されているスライドを紹介しよう。
Windows Server 2008 R2の新機能、機能強化点を一望にするとこうなる。大きくは、「仮想化・サーバ統合」の機能、「セキュリティ/コンプライアンス」の機能、「生産性向上」の機能だ。それぞれに分類される具体的な新機能については、今後の連載の中で詳しく解説していく予定だ。とはいえ新機能名称をざっと眺めただけでも、Windows OSに慣れ親しんでいる人なら、Windows Server 2008 R2が目指すゴールを理解していただけるだろう。
さて、マイクロソフトの優等生的な説明だけでなく、今回はあえて違う視点からもWindows Server 2008 R2の雰囲気をつかんでもらいたい。以下は、筆者なりにWindows Server 2008との違いを図にしてみたものだ。
Windows Server 2008 R2とは、現行の(結構ハンサムな)Windows Server 2008を顔に持つサーバOSである。顔に持つというのは、まったく新しいOSということではなく、Windows Server 2008が基盤として使われているということだ。その基盤に以下のような拡張を施したものだと筆者は考えている。
例えば、Windows Server 2008 R2の新機能について調べると、実はWindows Server 2008の新機能がベースになっていることも多い。これは、上図のとおり、Windows Server 2008という顔がベースになっているのだから当然である。しかし、このことを知らなければ、Windows Server 2008で追加された機能が当たり前に使われていることに困惑するかもしれない。
そして、Windows Server 2008の情報収集をこれから行うという人は、「特集:Windows Server 2008の基礎知識」を一読のうえ、本特集とセットで理解を深めていただきたい。
さて、細かな機能についてはこれからの連載で詳しく解説するとして、今回はベースOSとしての進化について解説しよう。
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