「TEDTalks」の中から、編集部の太田が「ビビビ」と感じた動画をピックアップし、不定期に紹介する企画。今回取り上げる動画は、「Embrace the remix」だ。
本連載では、TED(「Technology Entertainment Design」の略)が主催するカンファレンスの講演動画「TEDTalks」の中から、編集部の太田が「ビビビ」と感じた動画をピックアップし、紹介していきます。
カービー・ファーガソン(Kirby Ferguson)氏は、著作権法や特許法といった法律に疑問を投げかけている。「創作物は確かに一種の財産です。しかし、私たちはこれまで、過去の作品から新たな作品を創造してきました。著作権や特許法は、他人の作品から何かを作るという行為に障害をもたらします」――。
歴史をたどれば、アメリカのミュージシャンであるボブ・ディラン氏も、企業家のヘンリー・フォード氏も、スティーブ・ジョブス氏も、皆、他人の作品をリミックスして新しい作品を生み出してきた。例えば、iPhone。iPhoneの中核をなす「マルチタッチ技術」は、iPhoneが生まれる何十年も前から開発されてきた技術だ。iPhoneはいわば、「他人の作品の組み合わせ」なのである。
私たちは、自分の作品が他人によってリミックスされることを嫌う。それは、行動経済学上、本能によるものとされている。しかし、文化の発展を求める上で、それは本当に正しいのだろうか? これらの法律は、芸術に進歩をもたらしているのだろうか? ファーガソン氏のプレゼンテーションは、そんな疑問を私たちに投げかけてくる。
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