会議の質を高めるために、リーダーが仕掛けるポイントITエンジニアのチームリーダーシップ実践講座(9)(3/3 ページ)

» 2014年04月08日 18時00分 公開
[エディフィストラーニング 上村有子,@IT]
前のページへ 1|2|3       

「結び」段階のポイント

 このフェーズでは、単に結論に向けて話を結ぶだけでなく、結論と実際の行動とを結ぶのがポイントです。みんなで「合意できてよかったね」と和やかな雰囲気で終わるのではなく、「さぁ、そうと決まったらすぐ着手するぞ!」と、大げさにいうと殺気立った雰囲気になるぐらいを目指してみましょう。メンバー全員が自分の役割を理解し、すぐに行動に移れるようにするには、リーダーがここで細かい指示を出す必要があります。

 まず、目の前の結論が、当初の「話し合いの目的」に合致しているか再確認し、実際の行動に結び付けます。結びには、単に結論付ける(すなわち論を結ぶ)だけではなく、議論を行動に結び付けるという意味があります。決定事項が不承不承のものでは、今後の行動の支障になります。最後の結びで、みんなで合意に至ったプロセスをもう一度確認して、決定事項を自分たちのものとして再認識し、各自の責任を自覚してもらうよう促します。

 それから、ブレークダウンして実際の作業に落とし込み、各メンバーに役割分担を募るとよいでしょう。期限を決め、次の打ち合わせのときまでにどうするか、それぞれの成果を約束させてクローズすると、話し合いは実りあるものになるはずです。話し合いをどんなに十分にしても、決まったことを誰も行動に移さないのでは、会議をした意味が無くなってしまいます。行動に結び付けて初めて、会議の意義が生まれます


 以上、ファシリテーションの5つのプロセスについて解説しました。大きな会議や重いテーマでいきなり実行するのは難しいので、日々のちょっとしたテーマから実践していきましょう。身近なテーマを選び、ほんの10分程度の場を設定し、5つの段階を2分ずつ意識しながら進めていくと、リーダーだけでなくメンバーもファシリテーションのプロセスに馴染んでくれるはずです。

筆者プロフィール

上村有子

上村有子

エディフィストラーニング インストラクター。外資SIer、証券会社を経て2000年に野村総合研究所入社。現在、情報化戦略、コンプライアンス、ビジネスコミュニケーション領域のコース開発、講師。専門分野はBA(ビジネスアナリシス)、コミュニケーション。



前のページへ 1|2|3       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

スポンサーからのお知らせPR

注目のテーマ

Microsoft & Windows最前線2025
AI for エンジニアリング
ローコード/ノーコード セントラル by @IT - ITエンジニアがビジネスの中心で活躍する組織へ
Cloud Native Central by @IT - スケーラブルな能力を組織に
システム開発ノウハウ 【発注ナビ】PR
あなたにおすすめの記事PR

RSSについて

アイティメディアIDについて

メールマガジン登録

@ITのメールマガジンは、 もちろん、すべて無料です。ぜひメールマガジンをご購読ください。