プロジェクト管理や生産管理などで工程管理に用いる表「ガントチャート(Gantt chart)」の作成を通じて、プロジェクトマネジメントのABCを学ぶ本連載。今回は、Excelを使ってガントチャートを作り、工数を積算したり、プロジェクトの負荷を分散させたりします。※サンプルデータ付き
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皆さんこんにちは、「ブラビオ」のタナカタクヤです。
ガントチャートの作成を通じて「プロジェクトマネジメントとは何か」を学ぶ本連載。前回は「メンバー3人で、イタリアンランチを提供する」というプロジェクトを例に取り、タスクを洗い出すときの注意点を説明しました。
今回は、Microsoft Excel(マイクロソフトエクセル 以下、Excel)を使って、下記のようなガントチャートを作成します。サンプルデータもありますので、ダウンロードして適宜お使いください。
前回解説した手順に従って、タスクを全て洗い出します。ポイントは「網羅」です。最初はとにかく、ひたすらタスクを羅列しましょう。
最終的には適度な粒度のタスクに調整しますが、ガントチャート作成に慣れるまでは「まずは網羅する→その後、余計な部分をカットする」と進めましょう。
タスクを書き出したら、項目をグルーピングしていきます(図2)。今回の「イタリアンランチ作成プロジェクト」では、料理名「ピッツァ」「スープ」「サラダ」の三つが大項目になります。
次に、大項目の下に中項目として料理の工程を設定します。大項目「ピッツァ」の中項目は、「生地作り」「ソースを作る」「焼く」「仕上げ」の四つです。
その後、洗い出したタスクを中項目にひも付けます。例えば、タスク「生地をこねる」「生地を伸ばす」は中項目「生地作り」にひも付きます。
ExcelのA列に、タスクをグループごとに記入します。その後インデントを操作して、タスクの階層を「見える化」します(図3)。
インデントとは、行頭を字下げ(1文字分右にずらす)する機能です。行頭を下げたいセルを選択してツールバーの「インデント」ボタンを押すと、右に1文字分ずれます。2回押すと2文字分、3回押すと3文字分ずれます。この機能を利用して、大項目、中項目ごとに、タスクの行頭をそろえます。
次に、行1に「月」を、行2に「日」を記入します。セルの色を変更して、曜日の区別を付けます。ここでは、平日を灰色に、土曜日を薄い青色に、日曜日を薄い赤い色にします(図4)。
各タスクを実行するために必要な日程を割り振り、割り振られた日程のセルの色を変更します。ここでは、紺色に塗りつぶしています(図5)。
最後にマイルストーン(目印)を入れます(図6)。
ピッツァ作成は生地の出来具合が重要ですので、中盤に「生地ができているかの確認」というマイルストーンを追加します。ゴールとして、「テーブルに運んでフィニッシュ」というマイルストーンも追加します。
これで基本の「ガントチャート」ができました。サンプルデータを作成しましたので、下記よりダウンロードして確認してみてください。
次のページは応用編です。Excelの機能を使って、タスクの工数を積算し、負荷状況を「見える化」します。
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